企業によっては、福利厚生の一環として施設内に社員食堂を設けているところもある。社員であれば低価格、あるいは無料で利用できることもあるなど、働く人にとっては嬉しい制度だ。

提供されるメニューも、会社によってそれぞれだろう。職場の社員食堂のメニューが豪華で味も美味しいとなれば、それだけで「この会社に就職して良かった」と思うに違いない。

今回、広島県のある会社の社員食堂のメニューが豪華すぎる、とツイッターで話題になっている。こんなランチが食べられるなら......と思わず転職を考えそうになるレベルだ。

プレートの上にこれでもかと積まれているのは......大量のステーキ肉!

この画像だけを見れば、どこかのステーキハウスか肉料理専門店が提供しているメニューだと思うに違いない。それにしたって冗談みたいな量だが、その店のちょっとした名物とでも思えばまぁわかる、といったところか。

しかし、先述の通りこの山盛りのステーキは社員食堂のメニュー。しかも、食べ放題で、社員の負担は「170円」だという。

こんなに安く、ガッツリと肉が食べられる社食がある会社とは、一体どんな会社なんだろうか。

話題になっているのは、IRON FACTORY IKEDA(CASTEM)(@IRON_IKEDA)こと池田真一さんが2021年5月18日に投稿した写真。Jタウンネット記者は20日、本人に詳しい話を聞いた。

月一の「チャレンジデー」や、イベントごとの特別メニュー

池田さんは、主に精密部品の製造などを行っているキャステム(本社:広島県福山市)で、新規事業本部IRON FACTORYの課長を務めている。

話題になった山盛りステーキについて、池田さんを通して同社食品開発セクションの森下可奈さんに聞いたところ、

「2020年6月26日に撮影した写真です。場所は株式会社キャステム本社の、2018年4月1日にオープンした社員食堂です。
キャステム食堂では月に一回チャレンジデーというものがあり、毎回ステーキやローストビーフ、鰻や大人様ランチなど社員が笑顔になるメニューを企画しています。今回のツイートの回は【肉フェス〜ステキなステーキ♡〜】で、ブラックアンガス牛の食べ放題でした」

とのこと。さすがに毎日食べられるメニューではないようだが、それでも月一でこんな豪華なメニューが社食でいただけるとは、羨ましい。

「特別な行事イベントなどがない場合は月の最終金曜日にチャレンジデーを開催しています。
『今月もみんなお疲れ様!』の意味と、ひと月の予算をやりくりして余裕が出た分、社員食堂利用者への大還元祭です」(森下さん)

森下さんいわく、キャステムの社員食堂は「仲間と同じ釜の飯を食う」というコンセプトのもと、1日1種類のメニューを提供している。

「月曜日は一週間の始まりなので『よーい丼!』の日、水曜日は麺とお楽しみデザートの日、金曜日は『おつカレーさま』でカレーの日です。他にもひな祭り・バレンタイン・ハロウィン・クリスマスと季節の行事にあわせて様々なメニューを企画しています。
1日に1種類のメニューのため、どうしてもアレルギーや好き嫌いで食べられないという人もいるので、社長の『カレーがあれば丸く収まる!』の鶴の一声で毎日カレーも提供しています」

と森下さん。通常時は通常時でなかなか凝ったメニューになっているそう。万が一、その日のメニューが苦手だった社員のためにカレーも常備しておくという、社長さんの粋な計らいがありがたい。

シェフを社員として雇っている

実際に社員としてこちらの食堂を利用している池田さんは、

「毎食思うのですが、このクオリティ(見た目、味)の社食が170円(社員の負担が170円)で食べられることが本当に幸せです。午前中は『今日の社食は何かな?』という楽しみ、午後からは『また仕事を頑張ろう!』という活力をもらえます」

と述べる。たしかにこのクオリティの社食が食べられるのなら、仕事へのモチベーションも上がるというものだ。

それにしても、どうしてキャステムの社員食堂ではこれだけ凝ったメニューが食べられるのだろうか。池田さんはその理由について、

「社食は外部の業者さんを入れる会社さんも多いと思いますが、そうなるとどうしても安さ(コストダウン)を求めてしまいがちになってしまいます。その為、弊社はシェフを社員として採用しています!」

と説明。社員食堂のシェフを社員に! それだけ社食に力を入れているということだろう。

池田さんの社員食堂に関するツイートは21日夕時点で9万件以上のいいねを集めるなど話題になっており、

「なんと素晴らしい会社なんだ」
「こんな社食羨ましいです。みんな仕事やる気出そうです」
「タ、タッパーを持参してだな、出勤の度にだな、詰め詰めしてだなw」
「ここで働かせてください!」

といった声が寄せられている。こういった反響について池田さんは、

「本業は精密部品製造メーカーですが、他には無い面白い取り組みをたくさん行っているものづくり企業ですので、もっともっとたくさんの方に弊社の様々な取り組みを知って頂きたいです。その為にも、弊社の取り組みをTwitterで発信し続けます!」

とコメントしている。