中国では「大学城」の建設が相次いでいる。日本風に言えば「学園都市」だ。しかし「大学城」建設には大きなリスクがあるという。中国新聞社などが報じた。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国では「大学城」の建設が相次いでいる。日本風に言えば「学園都市」だ。しかし「大学城」建設には大きなリスクがあるという。中国新聞社などが報じた。

 「大学城」の建設が盛んな理由に、地元の共産党や行政の指導者が熱意を示すことがある。地元のイメージが向上し、しかも税収も上げられるとの思惑だ。

 中国では教育用の土地が「格安」で提供されるため、開発を請け負う業者は「利益を上げられる余地が大きい」として、熱心に動く。そのため、行政側と業者の癒着(ゆちゃく)による規則違反、法律違反なども多発している。

 「大学城」の現在および将来の問題としては、大学受験者が減少し始めているのに、建設の大型プロジェクトがなお続いていることがある。

 中国の大手商業銀行、中国建設銀行は2003年の時点ですでに、「リスク回避のため」として、「大学城」建設事業に対する融資を一切取りやめると宣言した。

 2009年8月には、“大学が倒産”する事態も発生して、中国人を驚かされた。上海松江大学城内の上海経貿学院だ。

 ただしその後、「上海経貿学院は学位授与の資格のない民間学校だった」、「正式名称は上海経貿専修学院で、学校を高級に見せかけようとして『専修』の文字を抜かして自称していた」などの報道があった。

 しかし今後は受験者の減少にともない、一流大学または一流大学に準じる大学でない場合、「経営の危機」に直面する可能性もあるという。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)