靴にまつわるうわさのウソ・ホント「ハイヒールは汚れた街を歩くため開発」
靴にまつわるうわさの一つに、「ハイヒールは犬のふんなどで汚れたパリの町を歩くために生まれた」というものがあります。これは本当なのでしょうか?
今回は、このハイヒールのうわさだけでなく、靴にまつわるうわさの真偽を調べてみました。
■靴にまつわるうわさのアレコレ……
●ハイヒールは汚れた町を歩くためのもの?
ハイヒールの原型となる靴は、実は紀元前までさかのぼりますが、現在のハイヒールの形ができ、広まったのは、17世紀のフランスでした。
当時、パリの町は下水設備などなく、汚物はバケツで道に垂れ流すという劣悪な環境だったそうです。そこで、汚れた道をドレスで歩いても汚れないように、ヒールの高い靴が重宝され、一気に広まりました。現在ではおしゃれな靴の代表格でもあるハイヒールが、汚物を避けるためのものだったのは、なんとも皮肉な話です。
●アディダスとプーマの創業者は兄弟?
人気スポーツメーカーのアディダスとプーマですが、この2つの会社の創業者は実の兄弟だった……という話ですが、これは本当の話です。
まず、ルドルフ・ダスラーとアドルフ・ダスラーという兄弟が会社を設立。これが後のアディダスとなります。しかし、二人がけんかをして兄のルドルフが会社を離れ、新たな会社を設立しました。これが後のプーマです。兄弟げんかがきっかけで世界的なスポーツメーカーが誕生したのは面白いことですね。
●ローマ法王の靴はプラダ製だった?
2008年に、イタリアのエスクァイアというメディアが「ローマ法王(ベネディクト16世)の履いている赤い靴はプラダ」という報道をしました。ファッションの専門家が「プラダでは?」と思ったとのことです。しかし、これは法王庁が広報誌で否定しました。
当時のローマ法王・ベネディクト16世が履いていた靴は、イタリアのあるベテラン靴職人が作り、献上したものでした。この靴職人は、前法王のヨハネ・パウロ2世にも献上しています。
現在の法王・フランシスコはどうなのか、カトリック中央協議会に確認したところ、「教皇フランシスコはこれまでの慣習を次々に覆している方で、赤い靴も着用していないことから、これまでとは違う靴を履かれていると思われます」とのことでした。
●革靴は食べることができる?
チャップリンの映画の中で、「革靴を煮て食べる」というシーンがあります。動物の革なので無理をすれば食べること自体は可能かもしれませんが、煮るだけでちゃんと食べられるようになるのでしょうか?
調理師の方に聞いてみたところ、「煮るくらいでは食べられないし、食べてもおいしくない」とのことでした。また化学薬品が付いていたりして、それを除くのにも時間がかかるそうです。当たり前ですが、合成革の靴は食べることはできません。
知っているようで意外と知らない靴にまつわるうわさの話でした。「うんちく」としてひけらかしてみてはどうですか?
(貫井康徳@dcp)