『アイ・ティ・イノベーション 〜15年の歩みと今後の挑戦〜』/林 衛
思えば遠くへ来たもんだ。
私が、アイ・ティ・イノベーション創業を検討し、実際に会社を設立した時期(1990年代後半)は、バブル崩壊の影響が、まだ日本経済に残っていた。なぜ、この悪い時期に創業する必要があるのかと人に訊かれたこともある。振り返ってみると、経済的にはいまひとつの時期ではあったが、企業には余力があり、挑戦意欲が十分で元気な人は多くいたと思う。私たちは、そのような元気な人たちと、様々な改革の話をしてきた。その人たちが、勇気を出して名前も実力もない我が社の応援をしてくれたと思う。私は、我が社の設立のタイミングは良かったのではないかと思っている。
また、90年代後半から数年の間は、大企業のIT部門にはまだまだ新たなことに投資する資金が存在した。このような環境を背景に、わが社は、プロジェクトマネジメントの方法論とソフトウェア・エンジニアリングを基盤として、多くの挑戦的なプロジェクトに参画させていただくことができた。PM方法論、開発方法論を活用するコンサルティングビジネスは、ユニークであると同時に、PMBOK(Project Management Body of Knowledge)普及期とも重なったこともあり、多くのPM関連の仕事をさせていただいた。大変ありがたいことである。概ね、2006-7年ごろまでは、同様の形で仕事をさらに発展させてきたのだと思う。
しかし、リーマンショック、東日本大震災のころから、企業には投資できる資金が少なくなった。同時に、日本経済全体が、いっそう停滞し、人々にチャレンジ精神が少なくなってきた。よほど新たな価値を生むような工夫がなければ、企業は振り向いてくれない状況になった。
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私が、アイ・ティ・イノベーション創業を検討し、実際に会社を設立した時期(1990年代後半)は、バブル崩壊の影響が、まだ日本経済に残っていた。なぜ、この悪い時期に創業する必要があるのかと人に訊かれたこともある。振り返ってみると、経済的にはいまひとつの時期ではあったが、企業には余力があり、挑戦意欲が十分で元気な人は多くいたと思う。私たちは、そのような元気な人たちと、様々な改革の話をしてきた。その人たちが、勇気を出して名前も実力もない我が社の応援をしてくれたと思う。私は、我が社の設立のタイミングは良かったのではないかと思っている。
しかし、リーマンショック、東日本大震災のころから、企業には投資できる資金が少なくなった。同時に、日本経済全体が、いっそう停滞し、人々にチャレンジ精神が少なくなってきた。よほど新たな価値を生むような工夫がなければ、企業は振り向いてくれない状況になった。
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