村上春樹の新作めぐり韓国出版界で熾烈な版権争い勃発

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村上春樹氏の最新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」が、4月12日の発売から7日目で100万部を突破した。前作の「1Q84」同様、驚異的な売れ行きを見せているが、お隣の韓国では版権をめぐって出版業界で熾烈な争いが繰り広げられているという。

村上氏の作品は韓国でも人気だ。韓国メディア「スポーツ朝鮮」によると、「1Q84」は累計200万部を売り上げ大ヒットを記録した。新作にもすでに大きな注目が集まっており、ファンは発売を今か今かと待ちわびている状態だ。このような状態なので、出版業界は「大魚」を捕まえようと必死になっている。

「1Q84」の場合、版権を持つのは文学トンネ社。版権の購入費は明かされていないが、韓国の出版業界では文学トンネ社が、外国文学に対する著作権料としては韓国史上最高の10億ウォン(約8000万円)近い額を支払ったとみられている。だが、今回は前作を上回るとの見方が大半だ。

今のところ、新作に関心を示している出版社は10社ほどだという。版権販売に関わっている韓国の代理店が、どの出版社が版権の購入に意欲を示しているのか口を閉ざしているため、進行状況など具体的なことは何も分かっていない。

「1Q84」を大ヒットさせた文学トンネ社が再び版権を獲得するのか、それとも「1Q84」以前の作品を主に出版してきた文学思想社が獲得するのか、はたまた新しい出版社か、今後の交渉次第で決まることになる。今年7月には韓国の書店に並ぶ予定だ。

・参照:週刊朝鮮
・参照:読書新聞

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