NY市場

 アジア市場での上値の重さを受けて99円台前半で取引が開始。失業保険申請件数が予想を下回ったことでドル買いに繋がったが、99円台半ばで抑えられ反落。本日の日銀会合と米GDPを見極めたいとのムードに値幅は伸びず。 

 ユーロドルは独メルケル発言で買われ、1.31台目前までユーロ高が進んだものの独ifo景況感指数の悪化や、スペインの高い失業率に反落。利下げ観測も根強く一時1.30を割り込む場面も。 

 株式市場は反発。失業保険申請件数が34万件を下回ったことを好感。ダウは24ドル高の1万4700ドル台で取引を終える。 

 債券相場は小幅に反落。10年債利回りは前日とほぼ変わらず、ボラティリティー指数は過去最低を記録。 

 金は大幅に続伸して1460ドル台を回復。原油価格も5日続伸し93ドル台に。 

 新規失業保険申請件数 → 33.9万件 

 ドル/円 99.08 〜 99.51 ユーロ/ドル 1.2988 〜 1.3094 ユーロ/円 129.02 〜 129.86 NYダウ +24.50 → 14,700.80ドル GOLD +38.80 → 1,462.00ドル WTI +2.21 → 93.04ドル 米10年国債 +0.006 → 1.710%

 本日の注目イベント

 日  3月消費者物価指数  日  日銀金融政策決定会合(展望リポート発表)  日  黒田日銀総裁記者会見  欧  アスムセン・ECB理事講演  欧  ECB、LTRO返済予定額発表  米  1−3月GDP(速報値)  米  4月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値) 

 今週のドル円は一時98円台半ばまで円買いが進む場面もありましたが、概ね99円台での推移です。まだ、今日一日を残しているため99円台で越週するかどうかは解りませんが、「100円の壁」が意識されて上値が重いものの、株高にサポートされドルの下値も底堅い動きを示しています。

 基本的な「ドル高円安」の流れは変わっていませんが、100円が抜けないとすれば一旦ドル下落のリスクも考えておく必要もあります。今後100ー105円の新しいレンジに入るのか、あるいは今しばらく95−100円のレンジ内でもみ合うのか、ドル円は重要な値位置にいると考えられます。

 昨日も99円台半ばから上値ではドル売り意欲も強く、日経平均株価が上昇しているにも関わらずドル売りが優勢な展開が続き、一時99円台を割り込んでいます。それでも昨日は米経済指標の結果に反応し、NY市場では99円台半ばまで戻していますが、この水準を上回れるかどうかが一つのポイントになろうかと思います。

 その行方を左右するのが株価と、日銀決定会合、それに米GDP速報値です。決定会合では今回特に新しい政策が打ち出されるとは思えませんが、「展望リポート」が発表され、2年で2%の物価上昇という目的を達成するための筋道などが示されると見られます。午後3時半からは黒田総裁の記者会見も予定されていますが、ここで総裁がどのような発言をするのかも焦点です。恐らく、目標達成は可能だという言葉を中心に展開されるものと予想します。その意味ではドルが買われる場面があるかもしれません。

 夜9時半には米第1四半期のGDPが発表されます。市場予想は3.0〜3.1%ですが、この数字がどれだけ上振れするかがポイントになります。既に大型減税は打ち切られており、個人消費の行方が注目されますが、折からの株高による「資産効果」も考えられます。個人消費がGDPの7割を占める米国ではこの数値が今後の相場展開に大きな影響を与えると思われます。

 利下げ観測の続くユーロは昨日、対ドルで1.3094まで買われました。メルケル独首相が、利下げの必要はないと発言したことに反応したものですが、それでも1.31には届かず反落しています。独4月のifo景況感指数が前月から低下し、スペインの第1四半期の失業率は27.2%に上昇するなど、欧州景気の混迷が続いていることが嫌気されています。このため米ゴールドマン・サックスは、来週5月2日の会合で0.25%の利下げが決定されると予想し、これまでの据え置き予想から修正しました。(ブルームバーグ)ドラギ・ECB総裁やバイトマン独連銀総裁も利下げの可能性をほのめかしていることから、今回か次回の会合で利下げに踏み切ることは十分考えられます。

 ドル円は上述のようにやや上値を試す場面もありそうですが、99円台半ばを大きく上回るには、支援材料なしでは難しそうです。連休を前にしてドル売りが出てくる可能性もあることから、今日は98円50銭から99円80銭程度のレンジを予想します。

 大型連休の前半戦が始まります。今年は海外より国内で旅行する人が多いとか・・・・。ディズニーリゾートも相当な混雑が予想されます。そう言えば最近テレビで見かける同社のCMは、「母と娘」が二人で園内を楽しんでいる様子のものが放映されています。「父と息子」ではなく、「母と娘」という組み合わせがポイントなんでしょう・・・。良い週末を・・・・。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ・メディア事業部)