20〜40代の日本人男性の過半数が“ヲタク”を自覚している。

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“認めてる人”って、格好良いと感じてしまう。例えば「俺、バカだからさ」とか「俺、チビだからさ」みたいな。人から攻撃されるかもしれない自分の要素を素直に受け止め、消化し切っている人。自虐ではなく、事実を事実と認識し、受け身が取れている。「吹っ切る」というよりも、そもそもそこに躓いていない人格者。人間として惚れます。

ところで、だ。これは、いまだにコンプレックス足り得る要素なのだろうか? 「オタク」。ぶっちゃけ、今や恥ずかしくも何とも無いような気さえする。それどころか、誇るべき長所かもしれない。深く掘り下げたその知識は、何かしらのシチュエーションでスキルとして活かせるはず。現代は、そういう時代である。

私、建前ばかり言っています? どうなんだろか。そこで、この資料を見てみよう。株式会社ハピネットは、テレビアニメ『戦姫絶唱シンフォギア』のキャラクターアプリ配信に際し、20〜49歳の男性2561名を対象に「アニヲタ」に関するアンケートを行なっている。
『戦姫絶唱シンフォギア』に登場するキャラクター立花響、風鳴翼、雪音クリスをタッチしておしゃべりを楽しむコミュニケーションアプリ「キャラアプ! 戦姫絶唱シンフォギア」が同社から配信されており、それを記念しての意識調査が実施されたのだ。

では、見ていこうか。まず、第一の設問。もう、そのものズバリです。「あなたは自分をヲタクだと思いますか?」
結果、「完全にヲタクだと思う」が8.1%、「ややヲタクだと思う」は24.1%、そして「どちらかといえばヲタクだと思う」は22.1%と、過半数の54.3%が「ヲタクだと思う」と回答している。20〜40代の日本人男性の過半数が“ヲタク”を自覚しているのだ。
でも、そうだよなぁ。自分自身を顧みても、何かしらのヲタクに当て嵌まっている気がしてならない。これが、日本の現状です。

では、ニつ目のクエスチョン。自分をヲタクだと思う人を対象に投げ掛けられたのは「あなたはどのジャンルのヲタクですか?」という問いであった。
さぁ、見てみよう。結果、1位は「アニメ」(41.5%)、2位に「漫画」(31.5%)、3位「ゲーム」(28.6%)というトップ3になっております。その他の回答としては、「ガンダム」、「パソコン」、「音楽」、「映画」、「ミリタリー」、「釣り」、「模型」などの回答も少なくありませんでした。
なるほど。ヲタクなのに、上位はマイノリティではなくマジョリティの立ち位置なのだ。不思議な現実だけれども。

では、今の質問をクロス集計してみよう。これが、ちょっと興味深い。「完全にヲタクだと思う」割合は1位が「アニメ」(66.5%)で2位が「漫画」(53.9%)、3位が「ゲーム」(43.7%)という順位になっていた模様。他ジャンルと比較すると、“アニヲタ”内でヲタクと自己認識してる人の割合が高いのです。

じゃあ、ここからはアニメヲタクのみ(500人)を対象としたアンケートで、より深い調査に突入していきましょうか! まずは「あなたは2次元、2.5次元、3次元、どの女性が好きですか?」という質問で、ご機嫌を伺ってみたい。
さぁ、結果はどう出たか? ……ほぉ、なるほど。「2次元」回答は23.0%、「2.5次元」は9.6%、「3次元」は65.8%となっており、3割強のアニヲタが実際の女性(3次元)を選びませんでした。
ちなみに、不可解なのが「2.5次元」なる回答。私は知らなかったのだけど、アニメ等(2次元の世界)と実際の人間(3次元の世界)の中間を指す「2.5次元」なる世界があるらしいのだ。広義では3DCGキャラクターやフィギュアを表す場合もあるが、一般的にはアイドル声優を「2.5次元」と呼んでいるそうです。
なお、その他には「全て好き」、「区別していない」、「特にこだわりはない」などの回答も見受けられました。

じゃあ、それらの理由についてもより追及していきましょうか。まず、2次元の女性が好きな人たちの意見を確認させてください。以下、列挙。
・「中の人も魅力的ですが、あくまで作品を好きになるのでその中のキャラが好き」(39才・男性)
・「3次元の女性と付き合ったことがないから」(32才・男性)
・「現実の人間は嫌いなので」(43才・男性)
・「一番理想に近いと思うから」(21才・男性)
・「年をとらないし劣化しないから」(40才・男性)
・「3次元には相手にされないため」(35才・男性)
もう、どれも興味深い。なるほど、さいですか。

では、続いて2.5次元の女性が好きな人の意見を。
・「アニメの声を当てている時も、イベントなどで実際に会うのも両方好きなので」(35才・男性)
・「魅力あるキャラクターをさらに輝かせる声優が好きだから」(38才・男性)
・「2次元では物足りない。3次元では生々しすぎる」(41才・男性)
・「空想と現実のはざま」(26才・男性)
・「3次元は不要」(32才・男性)
名言、出ました。「2次元では物足りない。3次元では生々しすぎる」、知性を感じるコメントです。

では、最後に3次元の女性が好きな方々の意見。
・「同じ時間、同じ経験を現実世界で一緒に出来るから」(23才・男性)
・「自分で言うのも変だが、いわゆるリア充なので」(45才・男性)
・「2次元や2.5次元は共有性が高いので面白くないから」(48才・男性)
・「アニメの女性は理想的で魅力だが、感情がありスキンシップ出来る方が良い」(49才・男性)
それぞれの立場からの意思表明でした。

そして、続いてのクエスチョン。個人的には、これが一番聞きたかったのです。「あなたはご自分がヲタクであることを周囲に言っていますか?」
さぁ、気になる回答は……。なるほど、「特に隠していない・自ら公言している」が24.2%、「聞かれたら言う」が51.8%、「親しい友人にだけ言っている」が12.2%で、「隠している」が11.0%、「その他」は0.8%という結果でありました。どうやら我が国において、既にヲタク(アニヲタ)は市民権を勝ち得ているようです。
また「気にしていない」、「ヲタクだとは思うが隠しも公言もしない」といった意見も見受けられており、そのナチュラルな回答には清々しささえ覚える。私が最も好きなのは、この手の人達だなぁ。

最後に一つ、気になることがあります。「オタク」と「ヲタク」、どちらの表記が正しいんでしょうか?
(寺西ジャジューカ)

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