昨日の台湾との激戦。
一夜明けても、まだ興奮は冷めやらず。
朝、出かけついでに、コンビニでスポーツ新聞を購入。

各誌、一面は井端一色だろうと想像してたのですが、いざスポーツ新聞のラックを見てみると、はっきりと井端を打ち出していたのは、ブラジル戦のときと同じくトーチュウのみ(日刊は中田、スポニチは井端のガッツポーズとベンチを合わせた写真でタイトルは「侍の底力」)。
正直、「空気読めてないなあ」と思ってしまいました。

(なお、井端の魅力にとりつかれた方(^^)は、赤坂英一氏著「2番打者論」(PHP研究所)をぜひご一読ください。)

さて、その昨日の試合、確かに井端の同点打はとんでもなく素晴らしかったのですが、他にも10回表に先頭バッターで出塁した相川、そして桑田のあのプレーがよぎってしまった牧田のダイビングキャッチとそのあとのピッチング、8回に井端に続き同点へのチャンスを一気に拡大した内川、そして決勝犠飛の中田、1点目のタイムリーを放った阿部、同点打の坂本etc、本当に価値のある打・投・守が多い試合でしたね。

あと、試合の最初の方のことなので忘れてしまいそうになりますが、4回表、坂本のセンター前に抜けるかという当たりを王建民がグラブに当て、さらにはショートの林智勝も目いっぱい体を伸ばして内野安打で止めるという執念のプレー。
さらには、サードを回ろうとしたランナー糸井に対し「ストップ」のジェスチャーをしつつ、接触しないように這いつくばった、高代三塁コーチの、こちらも極限のプレー(正直、古田氏の解説が無かったら、高代コーチが足を滑らせただけだと思っていた(^^)。今までこんなストップは見たことがない)。
この場面を見て、選手達が戦っている場が“”であることを、痛烈に感じました。

なお、9回表、鳥谷のスチールは、本当にバクチもバクチ、大博打のプレー。
スポニチが書いていたように、まさに“地獄と背中合わせの作戦”でしたが、本当にそれをしなればならないほど、追い込まれていた展開とも言えました。
タイミングも紙一重で、もしアウトになっていたら、評論家がしたり顔で「ここは100%セーフにならないと走っちゃいけない」などと言っていたと思いますが、現有戦力でこの先、勝ち抜いていくには、またこうしたプレーをしなければいけないケースもあるかもしれません。
そういう意味では、8回裏ツーアウト二・三塁の場面での澤村の登板も、かなりリスクのある継投(^^)でしたが、これも今回、投手陣が全体的に失点を喫するタイミングが早いことにより「やむなく」の部分があると思います。

一方で、今日、第1ラウンドC組・D組の2日目の戦いも行われましたが、D組ではイタリアが前日のメキシコ戦勝利に続き、カナダに対し14-4のコールド勝ち。
そして、ようやく登場してきたアメリカは、初戦のメキシコ戦で、先発ディッキーが3回6安打4失点と打ち込まれ、2-5の黒星スタート。

この試合は、帰宅後、録画を見たのですが、もしかしたら先発が早い回でつかまっても簡単には替えられないのかもしれないチーム事情、また「1点を取りに行く」意識が希薄な打線、ということで、この大会も「USAの強さ」を見ることは難しいのかなという印象を持ちました。
これは、アメリカチームの本気度とか「最上のメンバーではない」とかいう問題よりも、WBCが「超短期決戦であるため、隙のないチーム作りをしないと勝ち抜くのは難しい」という大会である以上、よほどアメリカチームが“対策”と“準備”をしない限り、今後もこうした状況は続くのではないかと思います。

さて、日本のファンにとっても要注目だった、第2ラウンド敗者復活戦のキューバvs台湾
結果は、キューバ打線が中盤以降打ちまくり、14-0の爆勝でした。

ただし、確かにキューバ打線の振りは鋭かったのですが、4回の4点は、バントに対する台湾の処理のまずさに端を発したもの(セカンドがファーストベースカバーに入れず、結果、陽耀勲が悪送球)。6回の8点は、台湾中継ぎ陣の完全な力不足によるもの(3イニング目に入り制球がままならなくなった林ユージン、変化球・ストレートともキレの無い王溢正(現DeNA)、高校生で選出された曾仁和の3投手相手の得点)なので、数字ほど脅威に感じる必要はないでしょう。

とはいえ、今回、日本の投手陣が押しなべて前回ほどの安定感が無いことを考えると、確実に、明日のオランダ戦で準決勝進出を決めておきたいところ。

先発投手は、この記事を書いている時点ではわかりませんが、前田健太もしくは内海
昨日投げた攝津・田中はおそらく登板させない(能見は球数制限で登板できず)と思うので、前田健太、内海で6~7イニング、場合によってそこに杉内、それでも賄えきれない場合は澤村。そして終盤は森福山口牧田で抑えきるという形でしょうか。
ただ、いずれにせよ、今大会、中国戦をのぞくと、「3イニング以上投げて無失点に抑えた投手は誰もいない」ので、終盤までに3点以上、場合によっては5点以上取られる可能性もあると考えておいた方がいいでしょう。

オランダ打線を見ると、まだ本塁打の無いバレンティンはそろそろ危険な匂いがしますし、続くアンドリュー・ジョーンズも今大会、ボール球にあまり手を出さず広角に打ち分けています。そしてキューバ戦で本塁打を放ったスコープ、スミスなどといったメンバーが控えるメンバー。

となると、もう「打線が最低、5点以上は取らないと勝てないのでは」ということで、個人的に考えてみたスタメン案が、こんな感じです。

 1 坂 本 (遊)
 2 井 端 (二)
 3 内 川 (右)
 4 阿 部 (捕)
 5 糸 井 (中)
 6 中 田 (左)
 7 稲 葉 (一)
 8 松 田 (三)
 9 長 野 (指)

結果的に角中でも機能しなかった一番には、立て直しの意味を込めて坂本を。王建民対策ということで台湾戦では先発を外れた松田をスタメン戻し。
なお、台湾戦でもヒットは出なかった長野をスタメンにしたのは、それでもこのなかでは数少ないホームランの可能性を感じる打者(特に右方向への。東京ドーム限定で)であるというのが理由です。ただし、内容が悪ければ途中で角中への交代も(そのために指名打者での起用に)。

とにかく、よほどのことが起きない限り、オランダを0~2点に抑えることは不可能。
ある意味、台湾戦のような思いをしないためにも、次戦こそ先制点ないしは3回までの得点が至上命題だと思います。

日本代表には、なんとか「勝利」という形で “野球の凄さ” を見せてほしいですね。