連勝スタートも、投打に不安を抱える侍ジャパン。アキレス腱は山本浩二監督の“優しさ”?

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ついにWBCが開幕した。3月2日の初戦、日本は苦しみながらもブラジルとの接戦を5−3で制し、続く3日の第2戦・中国戦は糸井(オリックス)の3点タイムリーなどで5−2で勝利。だが、大会前から浮き彫りとなっていた打線の迫力不足はとても解消されたとは言えず、今後への不安が残った。

大会前、某スポーツ紙のデスクは侍ジャパンの不安要素をこう語っていた。

「過去の大会と比べても不安要素が多すぎる。33人の候補選手を28人に絞るときはケガ人の浅尾に最後までこだわった末、結局外すドタバタ劇。強化試合が始まっても先発陣のマー君(田中)、マエケン(前田健)が不調で、打線はもっと不調(苦笑)。それなのに、選手どころか首脳陣からも、有効な対策らしきものが全然出てこないんだから」

格下相手に連勝したといえ、2戦ともまさにその不安要素を露呈してしまった侍ジャパン。苦戦の根本的な原因はどこにあるのか。チームの“裏側”を間近で見聞きしているスポーツ紙の記者たちに聞いてみると、真っ先にやり玉に上がったのは「山本浩二監督」だった。

「(山本)コージ監督に決断力がない。突き詰めれば、それがすべてですよ。浅尾もマエケンも、合宿合流時点で『?』がつく体調だった。本来なら、まずは各球団のドクターなりトレーナーに、戦いにきっちり耐え得る体調かどうかを確かめるのが筋。その上でOKなら呼ぶ、NGならその時点で外すべきでしょう」(記者A)

山本監督の判断力のなさの理由は、本来は美点ともいえる“優しさ”にあるという。

「あの人、優しいんスよね……。だから、不調でも『出たいです!』と言ってくる若い選手を切れなかった。それで時間を浪費した挙句、28人全員がベストの状態という形をつくれなかった」(記者B)

「抑え投手だって、浅尾が外れた段階で与田投手コーチは『追加招集も考えるべきか?』という記者の質問に、『それも大事だと思う』と答えた。でも、コージ監督は『追加はない』と即、否定した。最初に呼んだメンバーでやりたいという思いが強いんだね。良くも悪くも情の人というか」(記者C)

それだけに、選手からの信頼は厚い。

「人柄だけは誰もが認めているね。1月にはグアムで自主トレ中の阿部や坂本、長野らのところに、紀州の高級梅干しを手土産に飛んでいったくらいだから」(記者C)

「阿部も『あそこまで腰低く接してくれる監督は見たことがない。付き合えば付き合うほど、胴上げしたいと思わせる人』と言ってます。選手たちがすぐに『コージさん』と呼ぶようになったのも、梅干しを含めたイメージアップ作戦の賜物(たまもの)ですよ」(記者B)

監督の“人のよさ”はわかったが、勝負事では選手を信じるだけでなく、ベンチワークも重要になる。果たして山本浩二JAPANは、強敵たちを退け大会3連覇を成し遂げることができるだろうか。

■週刊プレイボーイ11号「切腹覚悟! 侍ジャパン ベンチ裏の危ネタ大暴露座談会」より