藤田太陽投手武隈祥太投手に代わって本日より、大石達也投手ウィリアムス投手が1軍に合流する。ゴンザレス投手が1軍抹消されなかったのには、会社的なしがらみを感じて仕方がないのだが、しかし元々守護神候補として獲得された左腕、ウィリアムス投手には期待を寄せたい。

大石投手に関しては、ファームでは先発として、比較的安定した成績を残してきた。前回4月29日はスワローズ戦に先発し7回途中まで2失点という好投。その前は4月22日に先発をし、5回2失点。ファームで抜群の安定感を見せていたわけではないが、しかし1軍ではモップピッチャー(敗戦処理)としてロングリリーフを任せるには、少し期待を抱ける結果を残している。そしてもちろん、ローテーション投手に不調や故障、もしくは谷間になれば先発起用もありうるだろう。ただ大石投手に関して気になるのは、三振をほとんど取れていないという点だ。上記2試合だけを見ても計11回1/3を投げて三振は僅かに5つ。ファームの打者を相手にこの奪三振数は、筆者は少し気になっている。恐らく1軍の打者を相手にした時は、もう少し打たれるのではないだろうか。

反面ウィリアムス投手は10回1/3を投げて奪三振は11個。投球回数以上の奪三振を記録している。筆者はウィリアムス投手に関してはまだしっかりと投球を見たことがないのだが、アメリカ時代の映像を見る限りでは、状態が良ければ守護神を任せられるだけの資質はあると思う。だが10回1/3で四球が4つという数字は少し気になる。単純に数字を出せば、投げたイニング数の39%で四球を出していることになる。この数字は、守護神を任せるに当たっては非常に不安だ。

例えば現在抜群の安定感を見せているバファローズ岸田投手の場合、守護神として11イニングを投げ、四球は1つもない。球威に加え、この制球力があるからこそ素晴しい成績を残している。この岸田投手と比べると、やはりウィリアムス投手と大石投手(36%)のイニングス数に対する与四球率は少し気になる。ちなみにゴンザレス投手は63%と、守護神としては話にならないレベルにある。西武球団のフロントはプライドを捨て、補強の完全なる失敗を認めるべきだろう。現場に対しいつまでもゴンザレス投手や嶋重宣選手の起用を押し付けるようなことがもし、万が一でもあるのならば、それはチームにとって最も大きな敗因であると言える。

さて、守護神という話になるといま最も気になるのは、エース涌井秀章投手の守護神起用案だ。5月4日にファームで1イニング限定で先発をし、そこで問題がなければ5月5日から1軍でブルペン待機させる予定があるようだ。そして首脳陣は涌井投手をそのまま守護神として起用し続けるプランを持っているらしい。だがこれに関しては筆者は賛成派ではない。

もし調整として、リリーフをさせることにより強く腕を振ることを思い出させることが目的であるのならば良いと思う。例えば昨季、それにより石井一久投手が好調を取り戻したように。だが守護神がいないからといって、本来エースであるピッチャーをシーズン途中からリリーフに回すことは決して良い起用法だとは言えない。エースピッチャーには、いざという大一番で長いイニングをしっかり投げてもらう必要がある。昨年のホークスとのプレーオフで、杉内投手と投げ合った時のように。

ゴンザレス投手、ウィリアムス投手、マイケル投手、カーター選手、ヘルマン選手、嶋選手。今季西武球団が獲得したマイケル投手を含む新外国人選手と嶋選手は、今のところ全滅だ。現場はいま、そのツケを払わされている状況にある。今季は外国人選手の獲得担当として宮田隆氏を招聘した西武球団だったが、今のところは結果は0だ。

チームの低迷はエース涌井投手、4番中村剛也選手のここまでの不振も大きく影響しているが、しかし何よりも補強策が全滅では、外国人選手がしっかりと機能している他球団と比較することは出来ない。だがまずは今日以降、ウィリアムス投手のピッチングに注目をして行きたい。もしウィリアムス投手の守護神起用が吉と出るならば、ライオンズももう少し安定した戦いができるようになるだろう。