メジャー移籍の問題点は、ポスティング制度ではなく代理人制度
![レンジャーズ移籍が決まったダルビッシュ。ポスティング制度ができてからメジャーへの道は大きく開いたが、まだ問題は残っている](https://image.news.livedoor.com/newsimage/6/7/67bdedbf74bbbc0f6b187a61a8e041bf-m.jpg)
これで今季、日本プロ野球からメジャーリーグに移籍することが確定した選手は、ダルビッシュのほかに和田毅(ボルティモア・オリオールズ)、チェン・ウェイン(ボルティモア・オリオールズ)、岩隈久志(シアトル・マリナーズ)、青木宣親(ミルウォーキー・ブリュワーズ)、川崎宗則(シアトル・マリナーズ)となった。
「中島には金銭面や待遇面でこれといった要求はなく、それこそどんな条件でもいいからメジャーに行きたかったというんだ。実際、彼は『ジーターやAロッドの控えを経験できるのは貴重だ』とも話していた。だけど最終的には『次のオフまで待てば、もっといい契約ができる。自分を安売りするな』と代理人に言いくるめられた格好だ」
つまり、安売りしたくなかったのは、中島自身よりも代理人だったというのが真相のようだ。
「中島もヤンキースの関係者とは大した話もしていないし、そもそも代理人とですら、どこまでコミュニケーションが取れていたのか怪しい。中島が交渉期限の前日に慌ててニューヨークに行ったものの、現地到着直後に交渉打ち切りが告げられたなんて、代理人とろくにコミュニケーションが取れていなかった証拠だろう」(スポーツ紙記者)
現在、日本球界からメジャーへ移籍する場合、代理人の存在は必須である。もちろん、交渉のプロを使うのが最善の方法であるが、「交渉を任せすぎ」という声もある。
「言葉がわからないし、知識もないから任せきりにならざるを得ないんだけど、それだと代理人の思うがまま。結局、代理人は自分の抱える選手がどんなに入団を希望しようとも、自分のカネにならなければクビを縦に振らない。ヒドイのになると、球団が提示した条件を正確に伝えなかったり、ねじ曲げて伝える輩(やから)も少なくない」(スポーツライター)
今回、ダルビッシュの代理人を務めたのはアメリカスポーツ界の大物エージェント、アーン・テレム氏と、日本における代理人制度の草分け的存在である団野村氏。万全の体制で臨んだ結果ともいえるが、過去には桑田真澄のように、代理人をつけず自ら交渉を行ないピッツバーグ・パイレーツに移籍した例もある。移籍交渉において最重要なのは、あくまで選手本人の意思。ポスティング制度はあくまで交渉権獲得のためのものであり、今後議論されるべきはそこから先にある。
(写真/益田佑一)
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