倉木麻衣
 3月29日に大阪・長居スタジアムで行われた「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!SAMURAI BLUE(日本代表) vs. Jリーグ TEAM AS ONE」の国歌斉唱で、透き通るような歌声で会場を感動に包んだ倉木麻衣。4月からは新曲「あなたがいるから」をチャリティーソングとしてiTunes他にて配信開始した彼女が、5月25日にニューシングル「もう一度」をリリース。震災後の心境の変化や、今後の音楽活動に対する想いなど、話を聞いた。

――震災後、初のインタビューとなりますが、大丈夫でしたか?

倉木麻衣(以降、倉木):地震が来た時は家にいたんですけど、はじめ、そこまで大きくならないと思って様子をみてたら、すごく揺れて、電子レンジとか落ちてきたり。すぐ外に出て、近くの広場にみんなといました。その間に、隣のマンションのスプリンクラーが作動して、水浸しになって、ベランダから水がダーって流れているのを見て、「もうこの世の終わりだ」と思うくらい、すごく怖くて。「家族に連絡しなきゃ!」と思って、まず携帯で電話を掛けたんですけど、繋がらないんですよね。それでメールを送ったら返事が返ってきて、みんなの無事が確認できて良かったなと。でも、部屋に戻ってテレビを付けたら、ものすごいことになっていて。まさか東北で津波が来るとは思わなくて、一瞬の出来事でしたよね。

――震災の影響で、3月12日の和光市民文化センターと26日の東京国際フォーラムでのライブが中止となってしまいましたね。

倉木:地震が起きた次の日だったんですよね。出来るか確認を取ったら、やっぱり会場が危険な状態だからということで、やむを得ず中止になってしまって、ファイナルも出来ない状態で。楽しみにしてくれているファンのみんなもいたので、すごく残念でしたけど、その分、次のライブでみんなに楽しんでもらえるように頑張っていきたいなと思ってます。

――前作のアルバム「FUTURE KISS」のツアーを終えてみて、如何でしたか?

倉木:みんなとの絆をより強く感じられるライブだったなと思います。初日から新曲にも関わらず、みんな一人一人がすごく乗ってくれて。「自分たちもライブに参加して、盛り上げていくぞ!」という気持ちでいてくれたり。ちゃんと予習復習じゃないんですけど(笑)、曲を聴いて振り付けを覚えてきて、一緒になって楽しんでくれたり。お互いにステージと客席との壁みたいなものが無くなって、本当に後ろの席の方まで、みんなが波のようにステージに送ってくれる気持ちをすごく感じましたね。今までのライブより、みんなとグッと近くなったのを感じられて良かったなと思います。