――3月29日には、「東北地方太平洋沖地震復興支援チャリティーマッチ がんばろうニッポン!SAMURAI BLUE(日本代表) vs. Jリーグ TEAM AS ONE」)で国家斉唱を務められましたが、カズさんのゴールシーンなど、持ってる人はこういう時に決めるんだなと思いました。

倉木:カズさんも最後の最後まで粘っていて。カズダンスを生で見られて、「すごい!やった!」と思って。シュートを決めた後に、客席のサポーターに向かって右手を挙げたんですよ。それを見た瞬間に、もう感動ですよね。世界で活躍されている方たちがチャリティに集まって、「みんなにエールを送るぞ!」という気持ちがすごく表れていた試合だったと思うんですけど、選手の皆さんはもちろん、周りのサポーターの人たちからもすごく「自分たちも一緒になって盛り立てていくぞ!」という気を、最初から最後まで感じました。みんなと一緒にひとつの物を作り上げてエールを送ろうという姿勢に、「自分も何か出来ることが無いかな?」ってすごく思ったし、素晴らしい経験になりましたね。

――試合の時にも話されていましたが、4月中旬よりチャリティソング「あなたがいるから」がiTunesなどで配信されていますが、制作自体はいつ頃から始めたんですか?

倉木:3月に地震があった直後に、いつも楽曲を提供して下さっている方と「一緒に音楽を作って、チャリティソングとして協力してもらえたら良いよね」って、制作させて頂いて。

――ピアノ1本で、ライブレコーディングされたのは、音の面だけでなく、少しでも早く届けようという想いもあったんですか?

倉木:そうですね、本当に早く、みんなに届けたくて。地震の恐怖とか、精神的ダメージがすごく大きいと思うんですよ。自分の歌を通して、不安な気持ちを少しでも和らげたり、一瞬でもいいので忘れられる時間を持ってもらえたらと思って、作らせて頂きました。

――音楽含め、エンターテインメント業界全体に自粛ムードが漂っていましたが、自分の仕事が本当に世の中の役に立っているのか、改めて考える機会はありましたか?

倉木:日本中の誰もが今、家族とか血は繋がってなくとも、お互い一緒に手を繋いで、協力していこうという気持ちになっていると思うので、みんながすごく前向きになっているじゃないですか。その中で、自分が出来ることをやっていきたいと思った時に、「どういう形でやればいいんだろう?」って、そこで初めて現実を見ると思うんですよ。それを形にするまでに、すごく時間が掛かってしまったりすると思うんですけど、私の場合は音楽があったので。歌を通して、配信という形であれば、みんながすぐ手軽に、身近に聴けるから、すぐに行動に移せると思って作らせて頂いたんです。きっと周りも本当は何かやりたいんだけど、なかなかその方法がなかったり。復興支援を送っても、本当にちゃんと届いているのかが見えなかったりもするから、「現地まで行こう!」って行った人もいただろうし。

――身の回りでは、生活面で無駄なものを減らして節約したり、変化はありましたか?

倉木:たくさんありますよね。まず、お水。習慣って恐ろしいですよね。水を無駄にしないように、節水したり。節電の時にみんなロウソクとか買ったと思うんですけど、今すごく可愛い、色んな種類のキャンドルがあって。炎って、置いておくだけでも癒されると思うんですよね。そうやって苦にならずに、ちょっとでもいいから自分がやれることを意識するだけで出来ると思うので、みんなにもやってもらえたらなと思います。ただ、火元だけは気を付けてもらって。今、倒れても火がすぐに消えるような囲いがあるものとか売ってますよね。

――アロマキャンドルとか、好きな香りはありますか?

倉木:昔からアロマキャンドルとかがすごく好きですね。ちょっとリラックスしたい時とか、お風呂場でも使えますし。香りは、甘い感じのバニラと、ラベンダーがすごく好きですね。富良野にラベンダー畑があるんですけど、何年か前に撮影させて頂いた時に「こんなにも癒される香りなんだ!」って感動して。それからずっとラベンダーにハマッてます(笑)。