左から、エド・はるみ、武蔵、亀田大毅、小椋久美子(撮影:野原誠治)
 無人島に墜落した旅客機の生存48人の極限状態に追い込まれた人間の心理を緻密に描いたサバイバル・サスペンス『LOST』は、ゴールデン・グローブ賞、エミー賞をはじめとする各賞で、のべ228部門ノミネート、52部門を受賞という驚異的な記録を打ち出した大ヒットTVドラマシリーズ。そのファイナル・シーズンのDVDリリースを記念して、1日都内のイベントで、ドラマ同様に輝かしい“偉業・結末”を迎えたことで「LOST ファイナル・シーズン アワード」を授与されたエド・はるみ、小椋久美子、亀田大毅、武蔵に、達成までのドラマについて聞いてみた。エドは独身ファイナルを迎えたことで、小椋と武蔵は現役を引退したこと、亀田はWBA世界フライ級王者という偉業を達成したことで受賞となった。

――“ファイナル達成”にいたるまでのドラマを教えてください。

小椋久美子(以下、小椋):私が現役で一番目指していたことは五輪に出ることで、北京五輪の前にアテネ五輪にも挑戦したんですけど、怪我というのもあって出場できなかった。その時にパートナーの潮田(玲子)と二人で4年間すごく長いけど死ぬ気で頑張ろうと二人で話しあって、お互い怪我とかもいろいろあったんですけど、言葉にはしなくても姿勢とかで感じ合えるものもたくさんありましたし、二人で築き上げて4年間頑張ることで五輪に出られたことが、私のバドミントン人生で良かったことだと思います。

亀田大毅(以下、亀田):親父から兄弟3人世界チャンピオンにするって言われて、生まれた時からボクシングやってたからね。そりゃ、勿論、やめちゃいたいと思った時もいっぱいありますね。やめたいとき、一人だったらやめていたかな。でもみんながいたから。練習の音とかも聞こえるし、お兄ちゃんと弟もいるから。ただ、初めはな、俺だけどうしても強くなれなかった。でも、それでもやっぱり頑張ろうと、3人で世界チャンピオンになろうと。それだけのためにやってきたかな。

武蔵:デビューしてから約15年、今は全然違うけど、デビューした頃はすごく細くて、その頃からずっと(ファンは)見てくれて、ジム・キャリーの映画の「トゥルーマン・ショー」のように成長の過程をずっと見られているみたい。弱い頃の自分からなんとか頑張って現在に至るまでを見てもらったことで、「ここまで頑張りました」というところまで見せることができたのが良かった。

エド・はるみ(以下、エド):今回結婚した相手と言うのが、一度お別れした相手なんですけども、結婚はしたかったのですが、結婚したいという気持ちとは別に、お笑いの世界で頑張りたいという想いがありました。『LOST』でも「生きたい」「生存したい」気持ちが軸になっていると思うんですけど、お笑いを「あきらめない」「こうしたい」という気持ちから、一回結婚とか家族とか捨てたんですよね。捨てたことによってお笑いの方に専念できました。それで、結婚の方はもういいと吹っ切れた時にまた出会いがあったので、人生って(ファイナルまで)途中途中は見えにくいものですね。私の人生も半ばですけど、やっぱり大事なのは最後だと思うので、自分の人生のファイナルを幸せな形でむかえるように努力していきたいです。『LOST』はそれを改めて感じさせてくれるドラマだったと思います。