CLグループリーグ第2節、フランスのオーセールと対戦したR・マドリー。試合前日の記者会見では、ペドロ・レオンの招集外について記者から質問を受け、「ペドロ・レオンがマラドーナ、ジダン、ディ・ステファノかのような扱いだ」などと怒鳴り、記者会見途中で席を立ったモウリーニョ監督。もしこの試合で敗れるようなことになればさらに記者からの質問攻めが予想できた。

 オーセールのホームで迎えた試合。引いて組織的に守備に徹し、速攻でゴールを目指す相手に対しR・マドリーは攻め急ぎ過ぎた。縦への突破に固執するばかりに中盤が間延びすると、ボールを失う度にオーセールの反撃を受けてしまう展開が続いた。それでも決定的なチャンスは作らせない今シーズンのここまでの特徴でもある守備の安定は保っている。

 攻撃面で課題が残るR・マドリー。フィニッシュに繋げるプレーはあまりにも単調だ。「危険を冒し、勝ちを収めた」と試合後に語ったモウリーニョ監督は、ディ・マリアとエジルを後半次々と投入し、勝ちに出る。結局、ゴールはその途中出場のディ・マリアが活かしたワンプレーから生まれた。

 そんなR・マドリーの戦い振りをオーセールのフェルナンデス監督は、「R・マドリーは世界一のクラブだが、ベストチームではない」と皮肉を込めて語っている。「これで2勝。難しいグループで勝ち点6は大事。ACミランに勝てばほとんどグループリーグ突破が決まる」と内容よりも結果を評価したモウリーニョ監督だが、チームの戦い振りは内心では大満足ではないはずだ。

 毎シーズン、監督が変わる度に問題となる攻撃面での改善策。結局は大物選手の個人技に頼るという繰り返しが続いている。「モウリーニョ監督がベストチームを作り上げるには時間が必要だろう」とオーセールのフェルナンデス監督も印象を語っているが、攻撃のバリエーション、コンビプレーの重視などR・マドリーの課題はまだまだありそうだ。

(スペイン通信)