愛内里菜
 2000年3月に発売したシングル「Close To Your Heart」から、デビュー10周年を迎えた愛内里菜。今年、自身の誕生日である7月31日の前日30日に大阪・なんばhatchで行われたファンクラブ会員限定ライブで突然の引退を発表した彼女が9月26日、尼崎アルカイックホールにてラストライブ「RINA AIUCHI LAST LIVE 2010 -LAST SCENE-」を開催した。

 9月15日に発売された最後のオリジナルアルバム「LAST SCENE」はオリコン週間ランキング初登場8位を記録し、10作目の同ランキングでのトップ10入りを達成。改めて引退が惜しまれる中、ステージに登場した愛内は、全国から争奪戦のチケットを手にしたファンを前に「ようこそ!皆さん!」の第一声でライブをスタート。新旧ヒット曲を織り交ぜつつ、中盤に進むにつれヒートアップしていき、「ラストライブだけど、皆、楽しんで!」と笑顔いっぱいのラストライブを展開した。

 LAST LIVEのリハーサル中に書き下ろされた新曲「SONG OF LIFE」で本編を終えると、アンコールの拍手の代わりに2000人のファンが愛内里菜の初期のヒット曲「Forever You〜永遠に君と〜」を大合唱。このサプライズな出来事に、涙をこらえ再度登場した愛内は、渾身の力を込めて熱唱。「FULL JUMP」で最後のアンコールを締めくくると、何度も「ありがとう!」を繰り返し、ファンとの最後の別れに胸を詰まらせた。

 10年間愛用してきたマイクスタンドにマイクを戻し、ステージから愛内里菜が去った後も帰ろうとしないファンからは割れんばかりにアンコールの拍手が鳴り止まず、Wアンコールに再び愛内が登場。最後は「今、本当に心から感じていること、それは、皆さんの支えがあったから、私の、愛内里菜の10年間があります。愛内里菜はしっかりとステップをして大人として、女性として成長したいと思っています。だから今日は、ラストかもしれないですが、新しい愛内里菜のスタートラインに立って進む旅立ちの日でもあります。今日まで歌ってこられて本当に幸せでした。最後の曲ですが、この曲を最後に私、愛内里菜はマイクを置きます。」とラストシングル「HANABI」を紹介。涙をこらえ、言葉を選びながら前向きにファンへ感謝の気持ちを伝たえ、3時間半に及ぶ全30曲のラストライブの幕を下ろした。

 会場の外には、チケットを入手できなかった大勢のファンが詰めかけ、最後の別れを惜しんでいた。

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