プレシーズンにアーセナルの本拠地で行なわれるエミレーツカップが今年も開幕、アーセナルが7月31日にACミランと対戦し、1―1で引き分けた。

 アーセナルはフランス人の指揮官、アーセン・ヴェンゲル監督の存在もあってフランス色の強いチームだが、今夏もフランスから2人が新たに加入。この一戦は2人にとってエミレーツ・スタジアムでのお披露目となった。

 まずはボルドーとの契約満了に伴い移籍金なしで獲得したFWマルアン・シャマク(代表籍はモロッコだが、フランス生まれのフランス育ち)。チーム唯一のゴールをあげ、レキップ紙から「トップの位置で自在にプレーした」と評価を受けた。後半途中にベンチに下がるときにはスタンディング・オベーションを受けるなど、サポーターの信頼を勝ち得たようだ。

 シャマクは試合後、レキップ紙に「観客の声援ですばらしい気分が味わえた。スタジアムの雰囲気は期待通り。ここでの初ゴールをあげられてうれしい。大きな自信につながる。最後の最後で勝ちを逃したのは残念だけど、理想的なスタートができた」と喜んだ。

 もうひとりはロリアンから1250万ユーロ(約14億円)で獲得したDFローラン・コシエルニ。いまのところ今夏の移籍市場でフランスの“輸出品”としては断トツの最高額だ。ギャラスが抜けたアーセナルとしては、何としてでもほしかったのがわかる。この一戦でも、「空中戦は完璧。パト(ACミラン)との1対1を制し、フェルメーレンとのコンビネーションも上々」とレキップ紙が評価するなど、期待を裏切らない活躍を見せた。

 コシエルニは同紙に「この美しいエミレーツ・スタジアムで、たくさんの喜びを得た。プレッシャーはそれほどなかったが、いいプレーを見せたいと思っていた。終わってみて、自分としてはすべてがうまくいった。きょうの出来に満足している。チームでの居心地は、ほんとうに日に日によくなっている。レギュラーになるには、まだ多くの努力が必要だが、高い目標に挑戦する用意はできている」と語った。

 2人の加入でアーセナルのトップチームにフランス語圏出身の選手は12人。言葉の不安もなく、チームにすっかり溶け込むことができたようだ。