毎年フランスでは、このプレシーズンの時期に、所属クラブとの契約が満了し移籍先が見つからずにいる選手たちがチームを組んで、練習試合を行なう。各クラブはスカウトを送り込み、戦力となりそうな選手がいれば“拾い上げる”ことになる。

 今年もこのUNFP(全国プロサッカー選手組合)合宿が行なわれているが、次の4試合に向け21人の“失業”選手たちが新たにエントリーした。この中には、昨シーズンまで2部のクレルモン・フットにいたマルタン・ドゥイヤール(25)がいる。レキップ紙が報じた。

 ドゥイヤールはル・マンでデビューし2007-08シーズンまで在籍、松井大輔がいた時期と完全に重なっている。2004-05シーズンに加入してレギュラーに定着した松井に1年遅れてトップチームに昇格したドゥイヤールは、つねに“ル・マンの太陽”と呼ばれた松井の後を追う存在だった。

 松井が得意とした左サイドの攻撃的MFで、加えて体格も173センチ、64キロとほぼ同じ。フレデリック・アンツ、ルディ・ガルシアと監督は変わっても、松井をはじめロマリック(現セビージャ)、クタドゥール(現モナコ)、セセニョン(現パリ・サンジェルマン)ら強力な顔触れを誇る中盤陣に割って入ることはできず、3シーズンで45試合の出場にとどまった。

 リーグ・アンでの唯一のゴールは2008年1月のボルドー戦で、このときはトップ下のセンターで起用された松井とともに先発で出場していた。

 UNFPの“失業者チーム”は27日にクレルモンと対戦。昨季までのチームメイトを相手に“再就職”を賭けるドゥイヤールの奮闘に期待したい。