【オピニオン】就職氷河期が現実に−日本人材ニュース
 就職氷河期が現実のものとなった。多くの企業で内定式が行われた10月1日時点の2010年卒の大学生の内定率が77%であることが、就職情報サイトを運営するディスコがモニターを対象にした調査から分かった。その後、本紙が複数の中堅私大キャリアセンターに聞いたところ、いずれも内定率は70%強であることが判明している。前述の77%という数字は、自ら就職情報サイトに登録している「就職に対してやる気のある層」であることを考えると、驚くべき数字で、今年の就職活動はそれほど厳しいものだったのである。

 今後、内定のない学生が、来年4月に就職できるかどうかについては悲観的にならざるを得ない。ほとんどの企業はすでに2010年卒の採用活動を終えているからだ。

 10月28日、日本経団連がまとめた「年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)」では、東証一部上場の大手企業の冬のボーナスの平均は、74万7282円で前年比15.91%のマイナスとなり、過去最大の落ち込みとなった。

 中堅・中小企業の業績悪化はもっと深刻であり、冬のボーナスがでない会社も多く、かつてない不況となっている。これまでの不況期には、新卒採用を大幅に抑制することで人件費の節約を実施してきた。

 今回、こうした不景気の中でも、多くの企業が新卒採用を続けたのは、「過去の不況では、採用を抑制した結果、社内に深刻な世代間の断絶が起きた」という反省があるからに他ならないが、100年に1度...(もっと読む

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