いきものがかり(撮影:野原誠治)
 昨年3月に発表したファーストアルバム「桜咲く街物語」が20万枚を超える売上枚数を記録した、いきものがかり。今月13日に発表した続くセカンドアルバム「ライフアルバム」は12日付のオリコン・デイリーランキング2位に初登場し、翌13日には1位に浮上。神奈川の路上から始まった3人の奏でる音楽は、何気ないけれど、かけがえのない“日常”の輝きに満ち溢れた「ライフアルバム」となって、世代を問わず聴く者の“人生”へと継がれてゆく。

■ファーストアルバムでは初めて経験することも多かったかと思いますが、セカンドアルバムを制作するにあたり、前作での経験も踏まえつつ、どんなアルバムにしたいと考えていましたか?

水野良樹(以降、水野):前回はシングルがすごく多くて、直球が多いというか幅を見せるという意味で難しい所があったので。今回はインディーズ時代にはやっていたんだけど、デビュー後にはまだ見せていなかった一面をちゃんと出していこうと、3人で意識して曲を選んでいきましたね。

山下穂尊(以降、山下):「次はこんな曲を入れたいな」とか、漠然としたイメージとか各々あったと思うんですけど、1回話し合いをしましたね。そろそろセカンドアルバムに向けて動き出そうとなったのが去年の夏終わりぐらいで。「花は桜 君は美し」はまだ決まっていなかったんですけど、シングル2枚は決まっていたので、それを踏まえてどういう構成にしようか?という話をして。元々のコンセプトがあって曲を選ぶというよりは、ライブのセットリストを決めるような感じで。「茜色の約束」「夏空グラフィティ」「青春ライン」があるので、それをどう合間に埋めて殺し合わないか?十何曲かリストアップしていって。「こういうバランス、この曲よりはこういう色の曲を入れた方がいいんじゃないか?」みたいに差し引きして選曲しました。

■それぞれ何か役割分担されたことなどはあったのでしょうか?

水野:曲を書く人間は2人いるんですけど、「絶対に半分ずつにしよう!」とか、そういうことは全く考えないで、古い曲も新しい曲も、出てきた曲を同じテーブルに並べた中で、1番いいバランスが取れるもの、いい状態になれるものを平等に選んでいく感じですね。「吉岡は詞を書いてみたらどうか?曲を作ってみたらどうか?」と、よく言われるんですけど、わざと吉岡の曲を入れたというよりは、たまたま吉岡が作詞に参加している曲が選ばれたという感じが強くて、わざと分業しているわけでもなく。

■吉岡さんが作詞で参加された「ちこくしちゃうよ」と「月とあたしと冷蔵庫」はいずれもインディーズ時代の曲ですが、今回選ばれた理由は?

吉岡聖恵(以降、吉岡):「月とあたしと冷蔵庫」は元々、インディーズでやっていた頃はもうちょっとテンポが早くて、もっとロックっぽい盛り上がる曲だったんですけど。前々回のツアーの時に「やってみようか?」という話になって。リハーサルの時にキーボードの人がアコースティックバージョンっぽく、ポロンと静かなフレーズを弾き出して、そのアレンジがすごく曲と合っていて、ライブでやり始めたんですね。その時、お客さんにちゃんと届いている感じがしたというか、場がピリっと引き締まるというか、みんなが集中してパッとこっちを向いて入り込んでくれる空気があって。「CDにも入れて欲しい」という声も結構あったので、「入れようか?」という話になりました。

■今も歌詞は書き続けていますか?

吉岡:書いてます、一応(笑)。「お前も一曲書いてみたら?書くんだったら、詞も曲も両方書いてみれば?」と男子メンバーから言われているので(笑)。ちょっと今、トライしてますね。