19日のチャンピオンズリーグ初戦でバルセロナに3―0と完敗したリヨン。ボールを完全に支配され(レキップ紙の統計によると支配率40%)、次々と放たれたシュートは合計16本(うちゴール枠内6本)。GKベルクートルのスーパーセーブがなければ、もっと惨憺たる結果になっていたとレキップ紙に酷評された。

 同紙によると、翌日に行なわれたビデオを観ながらの反省会では、主将のジュニーニョ・ペルナンブカーノが途中で退席する“アクシデント”が発生した。ここ最近、ジュニーニョとペラン監督の間の不仲が噂されている。バルセロナとの試合後、ジュニーニョは「チームには野心的なプレーが欠けていた。リスクを冒そうとしなかったのは指示かって? それは監督に訊いてくれ」と不機嫌そうに語ったという。

 ジュニーニョの退席についてペラン監督は、「許可してはいない。途中で機嫌が悪くなったのだろう。もちろん叱責することはできる。しかしそうしたところで、彼はふくれ面をするだけで、やる気をなくしてしまうだろう」と語った。ただし「大したことじゃない。そうじゃなかったら、こうして話していない。残っていた選手たちの中にも、居眠りしていたり、話を聞いていない者がいた」と事を大きくしたくないようすが窺える。

 しかしジュニーニョは主将で他の選手たちに模範を示すべき存在では、と水を向けられたペラン監督。「主将の価値はピッチで示される。彼のやるべきところはそこだ。ビデオを最後まで観なかったのは、彼自身の問題でチームとは関係がない」と距離を置きつつ、主将のピッチでの働きにやや皮肉を込めた感じもなくはない。リール戦(23日)のメンバーから外すような“制裁”はしないというが、キャプテンは?と問われると、「彼が望むならね。第一、彼が引き受けたのだから」とややトゲのある答えぶりだ。

 ちなみに、昨シーズン欠場が続いたカサパ(現ニューカッスル)に代わって主将を務めたジュニーニョは、「クラブから特別扱いを受けている」と一部のチームメイト(とくにゴブー)の反感を買い、今シーズンは主将を辞退した。ただし新主将のクリスがケガで長期離脱を強いられたために、“臨時”の主将を引き受けている。リーグ7連覇をめざすリヨン、前節で2位に浮上しようやく調子をつかみかけたところだったが、バルセロナ戦で屈辱的な大敗を喫したのをきっかけに、昨シーズン後半からのピリピリしたムードが再浮上したのが気がかりだ。