7連覇を狙うリヨンが15日、リーグ・アン第8節のメッス戦に5―1と大勝し、首位のナンシーに1ポイント差の2位に浮上した。この試合のヒーローは3ゴールを叩きだしたFWカリム・ベンゼマ(19)。3日前の代表戦(対スコットランド)では試合終了前の15分しかプレーできず不完全燃焼に終わったが、再開したリーグでその鬱憤を存分に晴らした。

 今シーズンは7試合(第3節は未消化)すべてに先発し8得点。この日のハットトリックで昨シーズン21試合であげたシーズン5得点の自己記録をあっさり更新した。昨季は傑出したストライカーが不在で、得点王(パウレタ)がわずか15ゴールだったリーグ・アン。今季のベンゼマは7試合で早くもその半分を上回るゴールを量産している。第8節終了時点での8得点は、近年では1998年のトレゼゲ(当時モナコ、9ゴール)に迫るハイペースだ。

 ベンゼマは試合後、フランス通信(AFP)に「誰と競っているわけでもない。自分のベストを尽くそうとしているだけだ。試合でゴールできるのはチームメイトのおかげ。得点ランキングのことは頭にない。練習を続けて、つねに結果を出すこと。まだ進歩する余地はたくさんある」と控えめに語った。

 この試合では、ユース時代からの同僚、ベン・アルファとの絶妙なコンビネーションがハットトリックにつながった。「若手中心の布陣で結果を出せた」と喜ぶ。「でもこれが自分のキャリアの中で最高のゲームというわけじゃない。いままでで一番だったのはデビュー戦」と話すベンゼマ。これから何度となく「生涯最高のゲーム」を更新する大舞台が待ち受けているのを予感しているはずだ。まずは4日後に迫るチャンピオンズリーグ初戦のバルセロナ戦。しかしこれも19歳の期待の星にとってはほんの序章に過ぎない。