スコットランド戦、天を仰ぐトレゼゲ<br>【photo by B.O.S.】

写真拡大

 12日にパリで行なわれたユーロ2008予選B組の対スコットランド戦で2敗目を喫し、グループ首位から3位に後退したフランス。勝ち点2ポイントの差をつけられた1位のスコットランドと1ポイント差で2位のイタリアが直接対決を残しているため、フランスは残り3試合に全勝すれば予選を突破できるが、もはや失敗は許されない状況に立たされた。

 試合翌日のレキップ紙は、終始押し気味に進めた試合で敗れた原因を攻撃システムにあると分析している。エースのアンリを警告累積で欠いたフランスは、アネルカとトレゼゲを2トップに置く4-4-2で臨んだ。しかし最近の3つの敗戦はすべてこの布陣で戦った試合。1トップで臨んだ試合では負けがない。同紙はトレゼゲの素質を高く評価しているが、フランス代表の現システムが「トレゼゲとは噛み合わない」と断じるに至った。

 フランスは今年に入ってからの8試合で5勝2敗1引き分け。得点の合計は6点と極端に少ない。ディフェンス(失点2)を最大の武器とするチームであることはW杯で優勝したメンバーのときから変わらないのも事実だが、それゆえ一瞬のミスが勝敗を左右してしまう脆さがある。

 引き分け狙いで終始引き気味、ほぼ全員で守ったスコットランドは唯一のチャンスをものにした。マクファーデンがフリーでGKのロングボールを受け、ワントラップで振り向きざまに放ったシュートが貴重なゴールとなった。レキップ紙はMFビエラによるマークのミスを指摘する。シュートを弾ききれなかったGKランドローととも出場選手中最低の3.5点と厳しい評価を下し、「ケガから復帰して間もないビエラは間隔の少ない2試合を続けてプレーできる状態になかったのではないか」とドメネク監督の選手起用にも疑問を投げかけている。