今夏も大金を投じ、大型補強を行ったアトレティコ・マドリーもまたそれに相応しい結果を待ち望んでいるクラブだ。メンバーの顔ぶれを見れば、優勝争いを演じてもおかしくないし、チャンピオンズリーグ出場権内に入る力もある。今年こそはと期待を抱かせながらも、アトレティコはそれに見合う結果を残念ながら残せていない。そこでクラブの首脳陣らは、メンバー達の経済的な部分でのモチベーションを上げようとしている。つまり“目の前に人参をぶらさげる作戦”だ。アトレティコがリーガ優勝したら、エンリケ・セレソ会長とヒル・マリンGMは900万ユーロ(約14億3500万円)を特別ボーナスとしてチームに差し出し、これがメンバーに分配される。

 さらに、来シーズンのチャンピオンズリーグ本戦から出場できる2位となった場合は600万ユーロ(約9億5600万円)、予選からの出場となる3位では450万ユーロ(約7億1700万円)、4位では350万ユーロ(約5億5700万円)、UEFAカップ出場権内では150万円(約2億3900万円)。この金額から見ても、アトレティコの目標がチャンピオンズリーグ出場権獲得にあることがハッキリしている。また、スペイン国王杯優勝で200万ユーロ(約3億1800万円)の特別ボーナスを受け取ることになる。

 ここ数年、ファンの期待に応えきれなかったアトレティコ。このボーナス作戦から見ても、クラブの首脳陣の今シーズンのチームに対する期待は並々ならぬものがある。本来なら“目の前の人参作戦”など必要ないクラブであるはずだが、それだけクラブ側も今のチームにかけているということだ。リーガ開幕後の2戦では2分1敗とふるわないアトレティコだが、この“人参”がメンバーらのモチベーションの一つとなってくれるといいのだが…。

(スペイン通信)