●いまいちな作品

『探偵事務所H・G』
漫画:永井豪 キャラクター協力:レイザーラモン
(解説)レズ探偵「本田聖子」のイニシャル"H"と、ゲイ探偵「権田助平」のイニシャル"G"を取って「H・G」という設定。権田の見た目は、まんまレイザーラモンHGで、ヒネリとかは特にありません(永井先生……)。読者を激しく選ぶことは確実。

『OLちゃんダイアリー』※月イチ連載
原案:ハリセンボン 漫画:北沢バンビ
(解説)ほのぼのOLコメディにしたいというのは分かるんですが、イマイチです。キャラの顔もギャグ用にしては可愛すぎ。芸人を変に美化する姿勢はいただけません。コントのネタをそのまま漫画にしたような、ユルイ内容も見直すべき。

『ガングリオン』原作:白岩久弥 漫画:いつきたかし
(解説)悪の組織のサラリーマン戦闘員が主人公。仕事帰りにおでん屋でグチをこぼしたりします。漫画家は大友克洋系で、今となっては懐かしい絵柄。美味しんぼオマージュな場面もあったりします。嫌いではないんですが、盛り上がりに欠けるのがちょっと……。

●つまらない作品

『14歳』
原案:千原ジュニア 漫画:中川一良
(解説)原作は自身の引きこもり体験を題材にしたベストセラー小説。作画は全体的に白っぽい画面で、なんというかネオガロ系? 第1話(全24P)における主人公の少年のセリフが、最終ページの「ヒョ〜〜ッ」だけだったのには仰天! 無口にもほどがあるって!

『あとん』※月イチ連載
原作:2丁拳銃 漫画:板羽皆
(解説)ホームレスの父親を持つ小学生男子の話。人情コメディみたいですが、全く面白くありません。父親のポジティブな性格が逆効果になっているのが致命的。ホームレスの負の部分を避けて通ったらダメ! 絶対!

『吉本壱番館』
原作:大工富明 漫画:昌原光一
(解説)吉本興業の芸人伝。「島木譲二(1〜2話)」はともかく、「おかけんた・ゆうた(3話〜)」というチョイスは渋すぎ。地味な絵で淡々と進む内容も不満です。

『水野キングダム』
キャラクター協力:水野透ほか 漫画:松田望
(解説)同名タイトルのバラエティ番組の漫画版のようですが、笑えるところが本当に1ヵ所もありません。火事で大変な時にやってくるのが、消防車じゃなくてゾウ坊車(脚に車輪を付けて走るアフリカ象)って……。いったいどこの国のセンスなんですか。

●意味不明な作品

『Dr.アホー診療所!!』
漫画:シャシャミン
(解説)テラ落書き。一応4コマ漫画みたいです。今年読んだ漫画の中で一番ひどいです。

■今後の「コミックヨシモト」

こうして見ると「コミックヨシモト」の掲載作品は、非常にバラエティ豊富であるということが分かります。お笑いとイコールの関係にある"ギャグ漫画"雑誌にするのではなく、あくまで一般の漫画雑誌として真っ向勝負を挑んできたところに、「コミックヨシモト」の"覚悟"が感じられます。当面は、面白い作品とつまらない作品の間にある、おそろしいまでの格差をなんとかするところから始めるべきでしょう。

定期刊行物として生き残っていけるかどうかは、これからが正念場です。タレントパワーに依存しないで読者を引きつけるには、まだまだ課題は山積みですが、将来性を感じる部分はあるので、なんとか頑張っていただきたいものです。


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レッド中尉(れっど・ちゅうい)
プロフィール:東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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