[10.1 キリン杯準決勝 日本 0-0(PK5-4) エクアドル 日産ス]

 日本代表は1日、日産スタジアムで行われたキリンカップ準決勝でエクアドル代表と対戦し、規定の90分間は互いにゴールを奪えず0-0に終わった。決勝進出を争うPK戦ではGK鈴木彩艶が1本セーブすると、キッカーは全員が成功させて5-4で勝利。A代表としては2011年1月25日のアジア杯韓国戦以来、15年ぶりにPK戦で勝利し、キリン杯決勝進出を決めた。

 日本は28日のキリンチャレンジ杯・ベネズエラ戦(◯2-1)から先発10人を変更。DF瀬古歩夢が今回のシリーズ3試合連続の先発出場を果たし、FW谷村海那が所属先・横浜FMの本拠地でA代表初先発を飾った。またGK鈴木彩艶、MF田中碧、MF久保建英は今回のシリーズ初の先発となった。

 システムは引き続き3-4-2-1でGKはベネズエラ戦の後半からプレーしていた鈴木彩。3バックは左からDF伊藤洋輝、負傷明けのDF板倉滉、瀬古の並びとなった。ダブルボランチは田中碧とMF佐野海舟が組み、ウイングバックは左にMF中村敬斗、右にMF堂安律。シャドーは左にMF鈴木唯人、右に久保が並び、1トップを谷村が務めた。[スタメン&布陣]

 試合は前半開始直後、鈴木彩のロングキックを谷村が収め、さっそく個性を発揮する。一方、エクアドルは左ウイングのFWニルソン・アングロが積極的に仕掛け、堂安と瀬古がなんとか阻む形が続いた。同5分には佐野海と鈴木唯が良い即時奪回を見せると、田中、久保、中村が立て続けにシュートを放つ波状攻撃。見応えのある攻防だった。

 前半9分、瀬古がN・アングロに抜け出されそうになるも、なんとか身体を入れて振り切られず、同11分にも今度は中村がMFジョン・メルカドとの並走を強いられたが、これもしっかりカバーした。同13分には堂安と久保のワンツーから久保がDFペルビス・エストゥピニャンに倒され、ゴール右斜め前でFKを獲得。これが不発に終わると、エクアドルのカウンターになったが、クロスを板倉が止めた。

 前半22分、ロングボール対応からカウンターを受けかけたが、瀬古が果敢なインターセプトでピンチの芽を摘む。同23分には中村、同25分には鈴木唯がカウンターからシュートチャンスを迎えたが、中村のカットインシュートは相手のブロックに阻まれ、鈴木唯のミドルシュートは枠を外れた。

 そうして迎えた前半27分、相手との接触で左膝をひねった伊藤が一時ピッチに座り込んで不安な様子を見せたが、立ち上がってプレーを続行。その後はエクアドルがボールを握る時間帯もあったが、日本は長谷部誠コーチ主導で落とし込みが進むハイプレスで自由なパス回しを許さず、ミスを誘っていた。

 そして前半31分、日本は堂安が久保とのワンツーから右のニアゾーンを打開すると、右足クロスに谷村が反応。ヘディングシュートは惜しくも枠を外れる。さらに同33分、田中碧の鋭い縦パスを谷村がつなぎ、中村のラストパスに谷村が左足で打ったが、これはGKに阻まれ、さらに最初のパスの時点で谷村にオフサイドがあった。谷村はDFウィリアム・パチョとのマッチアップには苦しんでいたが、着実にチャンスには絡んでいた。

 そのまま高い強度で締まった試合が続き、ハーフタイムへ。後半開始時、谷村に代わってFW上田綺世が投入された。するとファーストプレーで上田のポストプレーが決まり、布陣を押し上げて攻撃を展開すると、久保が鋭い縦パス。これが鈴木唯の足元に入ったが、トラップが乱れてシュートを打つには至らなかった。

 その後は拮抗した展開が続いた中、伊藤のカバーリングでピンチを阻むと、中村のスルーパスに堂安が左ニアゾーンに顔を出し、低い弾道のクロスを配球。これを上田が落とし、鈴木唯が右足で狙った。だが、これはGK正面。久しぶりのチャンスを活かせなかった。

 日本は後半23分、久保、鈴木唯、堂安、を下げてMF伊東純也、MF鎌田大地、DF鈴木淳之介を投入。そのまま鈴木淳は右ウイングバックに入った。すると同26分、鎌田の展開から中村がスルーパスを送り、伊藤のクロスに鎌田が反応。ダイレクトシュートはDFに阻まれた。さらに同28分、中村の横パスが反対サイドに通り、伊東が右足で狙うも、わずかに左へと外れた。

 後半32分には即時奪回を繰り返しての攻撃から鎌田が前に運ぶも、上田へのスルーパスはパチョに読まれる。同34分、中村と田中碧に代わってMF相馬勇紀とFW前田大然が入り、相馬は左ウイングバック、前田は左シャドーに入って鎌田がボランチに回った。

 そのまま見応えのある攻防が続いた後半41分、佐野海に代わってFW塩貝健人を投入。上田と塩貝の2トップ、前田と伊東の2シャドーで、鎌田をアンカーに置く攻撃的3-1-4-2に布陣を変えた。直後の同45分、板倉のパスが弱くなってピンチ。だが、相手のシュートが枠を外れ、命拾いとなった。その後は日本が攻め続けたが、そのでタイムアップ。結果はPK戦に委ねられた。

 日本がPK戦をプレーするのは2022年末のカタールW杯クロアチア戦以来4年ぶりとなった。日本は後攻。エクアドル1人目に決められたが、日本も1人目の上田が左に叩き込み、幸先の良いスタートを切った。2人目も鎌田が右に決め、両チームともに成功。鈴木彩も読みは合っていた。

 すると先攻エクアドル3人目のキックを鈴木彩が横っ飛びでセーブ。ついに日本の守護神が立ちはだかった。そして後攻の日本は伊藤がポストに当てながらもねじ込み、リードを奪った。4人目も日本は相馬が決め、これで王手。最後は前田が冷静に決め、PK戦で15年ぶりの勝利を収めた日本がニュージーランドとの決勝に歩みを進めた。

(取材・文 竹内達也)