〈千葉・匝瑳〉漂着した17メートル巨大クジラ、ついに解体…県が明かした費用負担は? 国立科学博物館が調査、そのまま砂浜に「埋却」処分へ
千葉県匝瑳市の海岸に突如現れた、体長約17メートルの巨大クジラ。9月19日の発見から10日余りが経ち、その処分方法が決まった。千葉県海匝土木事務所によると、9月30日に国立科学博物館が学術調査を実施するという。
【画像】巨大なクジラの口元でふくらんだ謎の赤い物体、化石のようなクジラ
その過程でクジラを解体し、同日中に現場の海岸へ埋却する予定だという。台風の影響で一時は撤去のめどが立っていなかった巨大な死骸は、なぜ「その場に埋める」という結論になったのか。
9月30日に国立科学博物館が学術調査
9月19日朝、千葉県匝瑳市の新堀浜に、体長約17メートルの巨大なクジラが打ち上げられているのが見つかった。
クジラはナガスクジラとみられ、発見された時点ですでに死んでいたとみられている。集英社オンラインでは21日、現場を訪れた男性の証言とともに、クジラの口元に赤い組織のようなものが大きくせり出している様子などを報じた。
その後もクジラは海岸に残されたままだった。
9月22日早朝、現場を訪れてクジラを撮影した男性は、当時の様子をこう振り返る。
「前日の大雨の影響で、打ち上がった浜から一番近い駐車場と、そこにつながる舗装されていない道が冠水していました。そのため、東に500メートルほど行った駐車場から歩いて向かいました」
気になる臭いについては、「漁港にいるくらいの感じで、強い臭気は感じませんでした」という。前日の荒波で死骸がある程度洗われた可能性や、日の出直後でまだ気温が上がり切っていなかったことも考えられる。
当初、問題となったのが台風の接近だ。海が荒れたことで大型重機などを使った作業が難しく、千葉県海匝土木事務所は23日時点で、作業時期や処理方法について「決まっていない」としていた。
発見から日数が経過すると、死骸の腐敗も進んだ。24日には現場周辺で腐敗臭が強まっていることも報じられた。
では、この巨大なクジラはいったいどうなるのか。
集英社オンラインが改めて、現場を管轄する千葉県海匝土木事務所に今後の対応を尋ねたところ、担当者はこう回答した。
「9月30日に国立科学博物館が学術調査を行います。学術調査に伴い解体されます。処分方法としては同日、解体したクジラをこの海岸に埋却する予定です」
つまり、巨大なクジラをそのまま別の場所へ運び出すのではなく、まず現場で研究機関による調査を行い、その過程で解体。その後、解体した個体を海岸に埋めるという流れになる。
「費用は県が負担」匝瑳市の負担はなし
今回の調査によって、種類や個体の状態などについて新たなことが判明する可能性もある。
大型クジラの処分をめぐっては、巨体をどのように移動させ、最終的にどこへ処分するのかが大きな問題となる。
過去には海へ運び出して沈下させたケースもある。2023年に大阪湾へ迷い込み死亡したマッコウクジラ、通称「淀ちゃん」は、岸壁へ運んで学術調査などを行った後、紀伊水道沖まで船で運ばれ、海中に沈められた。
大阪市の公表資料によれば、この一連の処理をめぐる契約額は約8000万円に上り、後に費用や契約手続きについて検証が行われることになった。
一方、今回の匝瑳市のケースでは、沖合への運搬ではなく、漂着した海岸で埋却する方針が選ばれた。処理にどの程度の費用や人員が必要になるのか、海匝土木事務所が答える。
「費用、人員については、一連の作業完了後精査しますが、海岸管理者である県が負担しますので、市の負担はありません」
環境省が示す海岸漂着物対策の基本方針でも、海岸管理者には管理する海岸について、漂着物などを処理するために必要な措置を講じることが求められている。
新堀浜を含む地域を管轄する海匝土木事務所は、匝瑳市と旭市の2市を管内としており、北九十九里海岸の海岸事業も担当している。
9月19日に巨大な姿を現してから11日。
一時は台風による高波で作業の見通しさえ立たなかったクジラは、国立科学博物館による調査を経て、ようやく処分されることになる。
ただし、30日の調査で何がわかるのか、実際の処分にどの程度の人員と費用を要したのかについては、作業終了後に改めて明らかになる見通しだ。
取材・文/集英社オンライン編集部
