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 ◇大相撲秋場所千秋楽(2026年9月27日 両国国技館)

 横綱・大の里(26=二所ノ関部屋)が大関・安青錦(22=安治川部屋)を力強く突き出して、12勝3敗で6場所ぶり6度目の復活優勝を飾った。21年名古屋場所の横綱・白鵬-大関・照ノ富士以来となる横綱と大関による千秋楽相星決戦を制し、秋場所3連覇。横綱・豊昇龍(27=立浪部屋)が初日から休場する中、一人横綱として番付最上位の威厳を示した。

 復活優勝を決めて、東支度部屋の一番奥に陣取った大の里は目元を拭った。土俵に戻り、館内に君が代の大合唱が響くと号泣。1年ぶりの賜杯に込み上げるものをこらえ切れず「凄く長い一年だった。本当にまた優勝できるのかな、と考えた時期もあった。この景色だけを見たくて何とか頑張ってきた」とかみしめた。

 安青錦は先場所で敗れた相手。「朝起きた時から腹を決めて。悔いの残らない、弱気にならない相撲だけを考えていた」と立ち合いからもろ手突きで相手の上体を起こした。支度部屋で入念に確認していた突き押しで前進。土俵下で勝負審判を務めた師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の前で一気に突き出し「優勝を届けられて良かった」と笑った。

 昨年九州場所の安青錦戦で左肩を負傷した。「ケガをしてお先が真っ暗というか、甘く見ていた」。春場所を途中休場し、夏場所も全休した。先場所は9勝止まり。負け越しの危機にも直面したが、「(休場の考えは)全くない。何事も経験だと思って15日間やっていた」と揺るがなかった。最後まで取り続けたことで本場所での戦い方を取り戻し、今場所で復活を遂げた。

 場所前の調整は決して万全ではなかった。初日4日前の境川部屋への出稽古で平戸海に苦戦。得意の右を差せないと、引いた。本場所でも悪癖を見せたが、二所ノ関親方が「ちょっとしたことでガラリと変わるのも大の里だから」と話すように、快勝した10日目の伯乃富士戦から本領発揮。最終盤に連敗した取組も前に出続け、千秋楽の大一番を制した。

 敗れた翌日は化粧まわしを替えることが多いが、今場所は地元・石川県津幡町の「大の里郷友会」から贈られたものを使用し続けた。県鳥のイヌワシがあしらわれ「石川県から大きく飛び立ってほしい」との願いが込められている。2場所連続休場の悪夢を経験し、6月に開かれた同会の総会では「必ず優勝する」と誓った。この日で24年の能登半島地震から1000日。「また石川県に良い報告ができたんじゃないかと思う」と感慨を込めた。

 今年初となる横綱の優勝。「13、14、全勝を目指す」と満足する様子は一切ない。「また強い横綱を見せられるよう、しっかりと稽古に精進して頑張りたい」。万感の思いを胸に、令和の大横綱への道を歩んでいく。