ビルの一室に所狭しと並ぶ千本のシャーペン 京都の大学生が「博物館」、自作製品も販売

京都市中心部の錦市場にも近い繁華街にあるビルの一室に6月、「シャープペンシル博物館」がオープンした。立命館大3年広瀬健吾さん(21)が、小学生の頃から集めたコレクションの一部、約千本がキャビネット内に所狭しと並ぶ。収集だけではなく、自作した製品の販売も手がける。(共同通信=日高将)
博物館には、ラジオ機能付きや、太さや色の異なる3種類の芯を補充できる製品など、廃番になった貴重な品々が並ぶ。広瀬さんが大学生活の傍らで運営するため、日曜に開館。予約制だが、訪れる幅広い年代のシャーペンファンに魅力を伝え、語り合う場となっている。
50年以上前になくした愛用品と同型の製品と再会し、喜ぶ訪問者もいた。シャーペンの魅力紹介は動画でもできる時代だが、広瀬さんは「触って書いてみないと分からないことがある」と語る。
きっかけは小学生の頃、人生で3本目に買った金属製シャーペンだ。「メカ感」に魅せられ、各地の文具店など約千軒を巡った。子どもの頃は父親に連れて行ってもらい、小遣いやお年玉をつぎ込んだ。
中学生の時の文化祭で、自分のコレクションを展示し、シャーペンの歴史も紹介した。「校内で一番のにぎわいを見せ、うれしかった」と振り返る。これまで集めたコレクションは約5千本に上る。中心は1960~80年代製。金属製が多く、50年たっても「ビクともしない」頑丈さにも引かれている。
シャーペン好きが高じて、約2年前に自作を始めた。真ちゅうを手作業で削った金属製で、デザインと精密さがセールスポイントだ。ペン先を支える「口金」と呼ばれる部品は「0.1ミリ単位で調整を重ねた」とのこだわりだ。一生使えるよう頑丈さも追求する。
自作製品は「広瀬鉄筆堂」名で展開している。芯の繰り出し方法などが異なる5種類の基本型があり、定価1万1千円。これまでに約千本を販売した。売り上げを博物館の家賃に充て、シャーペン愛を語る来館者を待っている。
◎シャープペンシル 機械仕掛けで芯を出す鉛筆。英語では「メカニカル・ペンシル」と呼ばれる。現在主流のノック式の他に、軸をひねって芯を出す「ツイスト式」などもある。広瀬さんによると、1960~80年代に大手メーカーの開発・販売が盛んで、多様な機能付き製品が生まれた。シャーペン専門の博物館は珍しいという。





