総額60億円以上? 450台を所有するカーコレクターの逸品 55選(前編) ホンダNSX、シトロエン2CVなど往年の名車がずらり
大物実業家のガレージ「Studio434」
英国の実業家ロジャー・ダディング氏は幸運な人だ。彼は450台以上のクラシックカーを所有しており、AUTOCAR英国編集部では数年前、彼のコレクション「Studio434」を紹介したことがある。当時は約400台だった。
【画像】コレクターの心を掴んだ名車たち【ブリストル412ボーファイター、フォード・カプリ、フェラーリ・モンディアルを詳しく見る】 全46枚
前回は、ロジャー氏が過去60年ほどの間に買い集めてきたコレクションのほんの一端しか紹介できなかった。だからこそ、今回改めて訪れて、改めてじっくりと見て回ることにしたのだ。世界で最も多様性に富んだ自動車コレクションの1つに、今回もあっと驚かされるに違いない。

ロジャー・ダディング氏のコレクションの一部を紹介する。
アストン マーティン・ラゴンダ
ロジャー氏は、初代モデルから最終モデルまで、実に24台ものアストン マーティン・ラゴンダ(総生産台数の3.7%)を所有していることで有名だ。さらに、トランクにブーメラン型のテレビアンテナを備えた、この見事なロングホイールベース仕様のティックフォード版もある。これは1984年にわずか4台しか製造されなかったうちの1台だ。

アストン マーティン・ラゴンダ
ベントレー・アズール
コレクションの大部分は英国製で、その中には多くのベントレーが含まれている。伝説的なプッシュロッド式6.75L V8エンジンを搭載した、2000年製のこの堂々たるアズールを含め、すべてが新車同然のコンディションだ。

ベントレー・アズール
ブリストル・ボーファイター
ブリストル412は1975年から1982年にかけて生産された英国車。当初は6.6Lクライスラー製V8エンジンを搭載していたが、1978年に5.9Lへと変更された。
ザガートがデザインした412は、決して美しいとは言い難いデザインだったが、1980年にはボーファイターと呼ばれる改良モデルが登場した。エンジンは同じ5.9L V8だが、ターボチャージャーが追加され、最高速度は240km/hとされた。

ブリストル・ボーファイター
シトロエン2CV
史上最も認知度の高いクラシックカーの1つであるシトロエン 2CV。この1台は、1948年から1990年まで続いた生産期間の終盤に製造されたものだ。最後の車両はポルトガルから出荷されたが、フランスでの生産は1988年に終了している。こちらは1986年に限定販売された「ドーリー」という仕様である。

シトロエン2CV
フェラーリ・モンディアル
モンディアルは長きにわたり、フェラーリ所有への入門モデルとして親しまれてきた。この1988年式のカブリオレを見れば、その理由が理解できるだろう。エキゾチックな外観、(一応)4人乗りの広さ、そしてミドシップに配置された3.2L V8エンジン。そして、フロントに輝く「跳ね馬」のエンブレム。これほど魅力的なクルマがあるだろうか?

フェラーリ・モンディアル
フォード・カプリ
この1984年式カプリ Mk3 2.0 Sは、派手なボディキットで存在感を強調しているが、ボンネットの下には、名高い燃料噴射式2.8L V6「ケルン」エンジンではなく、2.0L「ピント」エンジンが搭載されている。

フォード・カプリ
デイムラーV8 250
ジャガーは1961年にデイムラーを買収し、1年以内にMk2のバッジエンジニアリング版である2.5 V8を発表した。ジャガーが直列6気筒エンジンを搭載していたのに対し、デイムラーは、スポーツカーのSP250にも採用されていた2.5L V8エンジンが搭載された。生産は1969年まで続き、後期にはV8 250と改名されている。こちらは1967年製の、そうした後期型の1台である。

デイムラーV8 250
ホンダNSX
ロジャー氏のコレクションにはホンダ車は1台しかないが、少し特別な存在だ。初期型のNSXである。1990年の発売当時、NSXはアルミニウム製ボディ、使いやすいエルゴノミクス設計、優れた信頼性、そして高い製造品質により、競合他社を震撼させた。このNSXは1992年式で、オートマティック・トランスミッションを搭載している。

ホンダNSX
ジェンセン・インターセプター
すべてはここから始まった。ロジャー氏が初めて購入したクルマはジェンセン・インターセプターであり、今も所有している。Studio434にはかなりの数のインターセプターが展示されているが、このコンバーチブル仕様は特に希少な1台だ。1974年から1976年(ジェンセンが倒産した年)にかけて製造されたコンバーチブルはわずか267台で、これはその中でも最初期のモデルである。

ジェンセン・インターセプター
ランドローバー・シリーズ1
ロジャー氏は少なくとも12台のランドローバーを所有しており、その中にシリーズ1は3台ある。この1台は1952年製で、ヘッドライトの位置がグリルの後ろからグリル内に埋め込まれる形に変更された改良型だ。初期の1.6Lエンジンの代わりに、2.0Lエンジンが搭載されている。

ランドローバー・シリーズ1
メルセデス・ベンツSL
R107は、歴代SLで最も長い生産期間(1971年から1989年)を誇り、ここに写っているようなマイナーチェンジ後のモデルは、シリーズ中最も完成度が高いと言えるだろう。この420SLは1988年式で、220psの4.2L V8エンジンを搭載し、最高速度210km/hに達する。

メルセデス・ベンツSL
リライアント・シミターGTE
リライアント・シミターGTEは、実用性、性能、快適性を兼ね備えた稀有なクラシックカーで、熱心なファンクラブも存在する。それにもかかわらず、依然として手頃な価格を維持しており、この1973年式のSE5Aには、フォード製の2994ccエセックスV6エンジンが搭載されている。

リライアント・シミターGTE
ジャガーXJ
ロジャー氏のコレクションには2ダース以上のジャガーがあり、その中にはX300シリーズの初期生産モデルであるこの2台のXJ6が含まれている。X300は実質的にXJ40の改良型であり、フォード傘下で完全に開発されたジャガー初のモデルだ。

ジャガーXJ
ラゴンダ3リッター
ラゴンダは、アストン マーティンのモデルとなる以前は独立した自動車メーカーだった。ロジャー氏は主に戦前のモデルをはじめ、7台のラゴンダを所有しており、その中にこの1956年式の3リッター・ドロップヘッド・クーペがある。3リッターのセダン仕様と並行して販売されたが、1953年から1958年の間に両タイプ合わせてわずか270台しか製造されていない。

ラゴンダ3リッター
ウッド&ピケット・ミニ
ミニは元来、階級にとらわれないクルマだが、一部のオーナーは巨額の資金を投じ、より大きなエンジンや豪華な内装で自分好みにカスタマイズした。このムーブメントの先頭に立ったのがウッド&ピケット社であり、この1275ccのマーグレイブ・エディションを製作した。内装は本物の木と革で覆われ、特徴的なファブリック製のルーフには、フェイクのフードアイアンが装備されている。

ウッド&ピケット・ミニ
フォード・アングリア
1959年のアングリア105Eの発売は、フォードにとって一大イベントだった。斬新なデザイン、4速トランスミッション、そして997ccのオーバーヘッドバルブエンジンを搭載しており、大きな話題を呼んだ。エスコートの前身であるアングリアは高級車ではなかったが、この1台はエントリーレベルの「スタンダード」エディションであるため、特に質素な仕様となっている。

フォード・アングリア
ロールス・ロイス・ファントム
Studio434で最も威風堂々とした1台が、この2010年式のロールス・ロイス・ファントムだ。6.75L V12エンジンを搭載し、460ps、73kg-mという高出力を誇る。車重2630kgの巨体にもかかわらず、0-100km/h加速はわずか5.7秒と俊足だ。

ロールス・ロイス・ファントム
ロンドン・タクシー
ロジャー氏の趣味は、実に多岐にわたる。そのことを証明するように、この2002年式のロンドン・タクシー・カンパニー製TXIIがコレクションに並んでいる。同シリーズの初期モデルである2002年式で、2.4Lのフォード「デュラトルク」ディーゼルエンジンを搭載している。前身のTXI(1997~2002年)も外観はほぼ同じだが、日産の2.7Lエンジンが搭載されていた。
(翻訳者注釈:この記事は「中編」へ続きます)

ロンドン・タクシー

