◆米大リーグ レッズ2-8ドジャース(17日、米オハイオ州シンシナティ=グレートアメリカンボールパーク)

 ドジャース山本由伸投手(28)は、誰もが認めるエースとしてチーム最多の14勝を挙げて地区優勝に大きく貢献した。チーム内でも実績ある投手陣に愛され、チームの先頭に立っている。

 何度やってもシャンパンファイトは最高の瞬間だ。山本はロバーツ監督、スネル、スクバルらと美酒に酔いしれ「もう、すごくうれしいです。またこの時期が来たなというか、これから10月に入っていくので、まだこれを何度もできるように頑張ります」と喜びをかみしめた。

 米3年目の今季は、開幕投手を託されると、チームでただ一人先発ローテを守り抜き、チームトップの14勝。昨季のワールドシリーズ(WS)でMVPに輝き、周囲のマークも厳しくなった中でも、誰もが認めるエースとしてフル回転した。

 そんな山本を見る同僚の目も徐々に変化している。昨季まで在籍した通算223勝左腕のカーショーも山本の投球術に心酔。息子に山本を手本にするように教育したほどだ。サイ・ヤング賞2度のスネルは兄弟のように山本と度々、野球談議を交わす。そして、この日の試合前には、8月に加入したスクバルが、山本のやり投げトレに興味津々で実際に2度ほど投げて、“弟子入り”した。

 スクバル「クレイジーだよ。トライしてみたけど、うまくいかなかった。どうやって投げるのかが分からない。彼はきれいに、遠くまで飛ばす。だけど俺のはうまく飛ばない。あれはスペシャル。ビューティフルだ。オフシーズンに多分また挑戦するよ。日本に行ってやろうかな」

 投手と野手の垣根を越えて、ベッツもキャンプでは、同トレに挑戦。筋骨隆々なパワー自慢がしのぎを削るメジャーリーグにおいて、独自トレーニングを続ける特異な存在だが、178センチと決して大きくない体ながら結果を出したことで、数々のスーパースターたちをとりこにしている。

 山本も、実績ある選手たちが愚直に努力し続ける姿を見せることが、ドジャースの強さだと分かっている。「チーム全体が勝つために、できることを全部やっていると思う。それがチームの強さの秘訣(ひけつ)だと思う」。14年で13度の地区優勝、2年連続WS制覇中という常勝軍団のDNAを身に染みて感じているからこそ、自身の持つ知識を可能な限り伝授している。

 山本自身も多くの選手から学んで成長。メジャーでの3年間は少しずつ成績も上がっている。「ベテランの選手が多いので、すごくまとまりがあって、僕もそこについていけるように1年間、必死にやりました」。オリックスで21~23年にリーグV、ドジャースで24~26年に地区Vと「一人6連覇」を達成した優勝請負人らしく「シーズンはもう終わりますけど、やっと始まるなというような、そういう気持ち。チームが3連覇できるように、その一人としてしっかり頑張りたい」と早くも先も見据えていた。(安藤 宏太)