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自助、共助、公助が一体になった災害対策車両

『三菱自動車工業』(以下、三菱)と『ゲヒルン』は、災害時の停電や通信網トラブルに備え、防災情報配信サービスの継続と自治体への支援を目的に共同製作した、『特務機関NERV(ネルフ)災害対策車両』5号機の運用を9月から開始した。

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災害発生時における避難所や対策本部の電源と通信の確保は課題で、電力を蓄えて移動できる電動車と、地上インフラに依存しない衛星通信を組み合わせた災害対策車両への期待は大きい。そのため、準天頂衛星『みちびき』を利用した衛星安否確認サービス『Q-ANPI』の端末も以前の車両に引き続き搭載する。


三菱アウトランダーPHEVがベースの『特務機関NERV制式電源供給・衛星通信車両 5LA-GN0W(改)』。    三菱自動車工業

その目的は、自助、共助、公助という3つに分けられる。

まず自助は、『特務機関NERVの防災情報配信サービスを単独、自力で継続』することで、災害等による情報機能の喪失時には、対策車両によって電力と通信を自立的に確保して防災情報配信サービスを継続する。

続く共助は、『近隣自治体の災害対策本部、避難所等への支援』をすることで、被災地へ対策車両が出動して、災害対策本部や避難所等に給電や充電、電話、Wi-Fi接続、インターネット及び『みちびき』の災害、危機管理通報サービスを利用した防災情報を提供する。

最後の公助は、『防災訓練への参加、自治体や企業の災害対策モデルケースの提示』を行い、訓練やイベント等を通じてPHEVや『みちびき』の有用性を紹介し、自治体や企業が電力や通信を確保する重要性を理解することで災害対策強化を促す。

非常時におけるアウトランダーPHEVの強さ

対策車両のベースモデルは、『三菱アウトランダーPHEV』の特別仕様車『ブラックエディション』に、スペースX社の衛星通信サービスアンテナを搭載し、地上の通信網が途絶した状況でもインターネット接続を確保することができる。

ご存知の方も多いかもしれないが、『特務機関NERV』の名称およびロゴマークは、『エヴァンゲリオン』シリーズの著作権者である『カラー』と、同作品の権利を管理する『グラウンドワークス』の許諾に基づき使用している。


衛星通信サービスアンテナを搭載し、地上の通信網が途絶した状況でもインターネット接続を確保。    三菱自動車工業

三菱の高い技術力が惜しみなく投入されたアウトランダーPHEVは、強靭さやタフさで定評があり、最高峰の四輪駆動システム『S-AWC』(スーパー・オール・ホイール・コントロール)によって、荒天時や悪路の走破性が高い。

性能面では、WLTCモード(ハイブリッド燃料消費率)17.2km/Lを誇る高い燃費性能が有事の際に効果を発揮し、ガソリンさえ補給すればいつまでも走り続けることが可能である。

同時に電動モーターで走るためのバッテリーを搭載し、ガソリン満タン時に一般家庭11日分ほどの電力を賄える。そのため災害時であっても通信電源を確保できるため、災害対策車両に最も適したモデルのひとつだ。

防災意識の高まりと三菱が担う役割

昨今、日本においても地震や豪雨といった災害が多く、防災意識は高まっているが、いつの時代も災害は想定を上回る事象であることから、依然として痛ましい状況が各地で発生しているのが実情である。

では有事の際への備えは? と問われれば、事前に準備できることとして、避難の方法や場所の周知徹底と訓練、水や食料といった備蓄品の整備等、そして、情報通信の強靭化に向けて電源確保や電波の基地局といったインフラ強化も重要だ。


5号機導入に伴い、先代アウトランダーPHEVをベースとした4号機は退役。エクリプス・クロスPHEVベースの3号機と5号機の2台体制で運用する。写真は1号機(右)と2号機(左)。    三菱自動車工業

そして、有事の際には人や物を輸送することも重要であるため、荒天時や悪路でも走ることができるクロカンやSUVの評価は高く、車両の信頼性はもちろんのこと走破性やタフさが問われるのが実情である。

三菱にはそれらのモデルが多く、9月に発表された伝統の人気モデルである『パジェロ』、今回ご紹介した『アウトランダーPHEV』、『エクリプス・クロス』、悪路走破性では世界最高レベルのミニバンである『デリカ』、ピックアップトラックの『トライトン』といったモデルが揃う。

災害対策車両はもちろん、一般ユーザーの車両も三菱のモデルだからこその走破性の高さやタフさが威力を発揮する場面が有事の際には想定されるだろう。日本で三菱の各種モデルが販売されている価値は大きいと、改めて感じた。