田村委員長

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 前編【共産「田村智子委員長」に“逆ギレ”批判が殺到…沖縄知事選は「高市政権の選挙介入」が敗因、辺野古沖転覆事故でデニー氏に「説明責任があるという考え方が違う」】からの続き──。共産党の田村智子委員長は沖縄県知事選で玉城デニー氏が落選した原因として「玉城デニー県政を転覆するためにはどんな手でも使うという姿勢で、官邸と自民党がこの選挙に介入した」と高市早苗首相を強く批判した。その結果、ネット上では田村委員長に対する批判が集中している。(前後編の後編)

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 何しろ“選挙介入”という言葉は重い。アメリカ大統領選でロシアが行ったような大規模なサイバー攻撃などを思い浮かべる人が大半だろう。

田村委員長

 XなどSNS上では「高市政権が沖縄県知事選に介入したという明確な証拠が示されていない」と田村委員長の発言に反発する投稿が相次いだ。「陰謀論の一種ではないのか?」と首を傾げる意見も目立った。

 他にも田村委員長は会見で記者から「辺野古沖転覆事故に関して、玉城前知事は説明責任を果たさなかったのではないか?」と質問されると、「説明責任があるという考え方が違う」と反論し、これもネット上では批判的な文脈で拡散している。

 筆坂秀世氏は1966年、18歳で共産党に入党し、1995年の参議院選挙で初当選。2003年に議員を辞職している。約40年の党員歴を持ち、離党しても共産党の動向を注視してきた。

 沖縄知事選の結果に筆坂氏は「『オール沖縄』という言葉が嘘だったことが明白になったという点に注目しています」と言う。

「『オール沖縄』は2012年ごろ、当時は那覇市長だった翁長雄志さんが提唱しました。翁長さんは自民党沖縄県連の幹事長を務めたこともあり、『保守と革新を超えた沖縄』を合言葉に辺野古移設反対を支援する枠組を示したのです。翁長さんは2014年に県知事選で勝利しましたが、私は最初から懐疑的でした」

分断を招いた共産党

 筆坂氏は「当たり前ですが、全国各地と同じように沖縄にも多種多様な考えを持つ様々な有権者がいます」と言う。

「辺野古移設に反対の有権者もいるでしょうが、賛成の有権者もいるのです。それを無視して“オール”と表現するのは有権者の実像とかけ離れており、一種の虚偽ではないかと当初から疑問視していました。さらに2012年なら新鮮に響いた言葉でも、今は2026年ですから14年が経過しており、陳腐化が進みました。この14年間、オール沖縄という言葉は一度も見直しされなかったのです。共産党を筆頭とする革新陣営は今回の沖縄県知事選でもオール沖縄を連呼するだけでした。これでは有権者の心を掴むことはできないでしょう。さらに最近のオール沖縄は保守色が薄まり、共産党など革新陣営の集合体になってしまったことも重要です。あまりにも“オール”が連呼されてしまった結果、沖縄の保守系有権者は『自分は共産党を応援していない。何がオールだ』と反発したのではないでしょうか」

 筆坂氏は「共産党は“オール”を標榜するあまり、かえって沖縄で“保守系有権者”と“革新系有権者”の分断を招いてしまったのです」と指摘する。

「自分たちは常に正しい」

「田村委員長も“オール”という言葉に自縄自縛の状態になってしまったと思います。何しろ『沖縄の有権者は誰もが辺野古移設に反対している』と心から信じ切っているわけです。ところが予想に反して玉城さんは落選してしまった。すると『何か異常な事態が発生したに違いない』と考えてしまうわけです。『高市政権が選挙に介入した』という発想が生まれる理由でしょう」(同・筆坂氏)

 筆坂氏は「同じように共産党は『辺野古移設に賛成している沖縄の有権者も相当な数に達している』とは考えません」と指摘する。

 自分たちの主張は常に正しいというのが共産党の自己認識だ。そのため知事選における基地問題の論戦についても「有権者の支持を得られなかった」と反省することはない。「知事選における論争は次につながる」という極めて楽観的な総括になってしまう。

 記者が「転覆事故に関する前知事の説明責任」について質問すると、田村委員長から逆ギレのような回答が飛び出した。これも「知事や共産党が直接の原因で船が転覆したわけではない」と“責任”をできる限り矮小化したいからだろう。

 沖縄の有権者が「当時の玉城知事や共産党のせいで抗議船が転覆した」と考えていないのは当たり前だ。

県民が求めた「説明責任」

 県民が疑問視したのは、知事や共産党の「事故を防ぐため県ができることには限りがあった」という冷淡とも思える姿勢や、「知事は共産党が批判できないのか、奥歯に物が挟まったような言動が多い」という違和感だろう。それを前提に「もっと説明責任を果たしてほしい」と不満を感じていたわけだ。

 そもそも田村委員長の「知事や自分たちに責任はない」という考えを推し進めると、「死亡した船長だけが悪い」と“現場”に責任を一方的に押し付けていることになってしまう。

 玉城デニー氏や共産党が転覆事故に関し、県民の素朴な実感が求める説明責任を充分に果たしていれば、少なくともデマの拡散が抑えられた可能性も否定はできない。

 さらに筆坂氏は「説明責任」だけでなく、「選挙における結果責任」の問題も重要だと指摘する。そこで注目すべきは共産党の委員長と言えば“長期政権”が目立つことだ。

 初代の宮本顕治氏は1970年から1982年まで、5代目の志位和夫氏は2000年から2024年まで委員長の座に就いていた。

「これまで共産党は様々な選挙で勝ったり、負けたりしました。特に最近は“負けたり、負けたり”です。そして選挙で敗れた責任を取って辞めた幹部は誰もいません」(同・筆坂氏)

共産党の“無責任体質”

 筆坂氏は「つまり日本の政党の中でも共産党はかなりの“無責任政党”であるという歴史を持っているのです」と言う。

「田村委員長も同じだと批判せざるを得ません。沖縄県知事選の結果を謙虚に受け止め、党員など支援者に頭を下げ、次につなげるよう敗因を分析するという姿勢はないのです。そして自分には責任がないことを念押しするかのように『高市政権が選挙に介入した』、『基地問題における自分たちの主張は正しかった』という総括をコメントしているわけです」

 前編【共産「田村智子委員長」に“逆ギレ”批判が殺到…沖縄知事選は「高市政権の選挙介入」が敗因、辺野古沖転覆事故でデニー氏に「説明責任があるという考え方が違う」】では、なぜ田村委員長の沖縄知事選に関する発言はネット上で炎上したのか、その背景について詳細に報じている──。

デイリー新潮編集部