車中泊でナイフ所持「逮捕まで8時間拘束」薬も飲めず自販機も制限…八王子署に弁護士会が警告
任意同行した男性を約8時間にわたって警察署内に留め置いたとして、東京弁護士会(石原修会長)は9月14日、警視庁八王子警察署に警告を発表した。
同会は、男性が退去することが事実上不可能な環境におかれたと認定し、「意思決定や行動の自由を侵害するものだ」と指摘。八王子署長に対して、今後二度と同様の行為を行わないよう求めた。
●車中泊でキャンプ用ナイフ所持、銃刀法違反を疑われ
男性は2020年5月13日、駐車場で車中泊をしていた際、車内にキャンプ用のナイフを所持していたところ、巡回中の警察官2人から銃刀法違反の疑いを持たれ、警察署への同行を求められた。
男性は説明すれば誤解は解けると考え、自身の車を運転してパトカーに続く形で任意同行に応じた。
しかし、午後2時36分に警察署に到着してから、午後10時23分に通常逮捕されるまで、約8時間にわたり警察署に留め置かれたという。
●「退去することが事実上可能な環境にはなかった」
東京弁護士会の調査によると、男性に対する取調べは午後2時45分から午後5時49分まで、3時間以上にわたって実施された。
特に問題視されたのはその後の対応だ。
警告書は、取調べ終了後も、男性が「警察官の見張りを受けながら取調室に留め置かれ、持病の薬の服用も認められず、トイレに立ってもそれには警察官が見張り役として同行」したと指摘。
「自動販売機で飲料を購入することすら制限された」状態だったという。
また、逮捕されて留置場に移るまでの間、食事の機会や食事をとってよいとの説明もなかったとされる。
取調室から出て帰宅が可能であるといった説明もなかったという。
東京弁護士会は、こうした状況から、「遅くとも午後2時36分に八王子警察署に到着し、午後10時23分に逮捕されるまで、約8時間にもわたる間、退去をすることが事実上可能な環境にはなかったことが認められる」と認定した。
●「意思決定や行動の自由を侵害」と非難
東京弁護士会は警告書で、「任意同行後、取調べに応じるかや、退去をするかは被疑者の自由でなければならない」と指摘した上で、次のように非難。
「本件で、申立人にその自由があったとは認められず、捜査官の申立人に対する行為は、申立人の意思決定や行動の自由を侵害するものであるといわざるを得ない」
そして、八王子警察署の羽生一浩署長に対して、「今後二度とこのような行為に出ることのないよう、警告致します」と求めた。

