梅毒治療薬、供給不足続く 工場で機器故障、再開来年に

梅毒感染が高い水準で推移する中、治療で第1選択となるペニシリン製剤の供給不足が続いている。メーカーの工場で起きた機器故障などが原因で製造が止まり、再開は来年後半になる見通しだ。母子感染予防に推奨される唯一の薬でもあり、日本性感染症学会は9日までに、妊婦への使用を優先するなどの対応を医療関係者に要請した。
性的接触でうつる梅毒は、新型コロナウイルス禍が明ける頃から報告が増加。2020年に約6千人だったのが、25年は1万3千人を超えた。胎盤を通じて胎児にうつると死産や早産につながるほか、子どもの神経や骨に異常が生じる「先天梅毒」も懸念される。
そんな中、ファイザーの治療薬「ステルイズ」は25年7月、異物混入のため自主回収に。11月には製造機器の故障も発生した。施設を準備し、規制当局の確認を受けるのに時間がかかっており、同社は「出荷再開は来年後半ごろ」と見込んでいる。
学会は今年8月24日に医療機関向けの見解を公開。患者の状態を見極めて不要な処方を避けるほか、薬局にも供給不安から大量発注をしないよう求めた。
