夫から「NISAなら非課税だから」と、運用資金として「300万円」を渡されました。でも私名義の口座に入れると、非課税どころか「19万円」の贈与税の対象に!? 夫婦でNISAを活用する際の注意点を確認

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株式取引や投資信託など投資に興味がある方の中には、掲題の夫婦のようにNISAの非課税制度を利用したいと考えている人もいるでしょう。   今回のケースにおいて、夫は、NISAの非課税制度は、譲渡益だけでなく元金のやり取りにも適用されると考えています。夫から妻に渡された300万円が「非課税」となり、そこに贈与税は発生しないと理解しているようです。   本記事では、NISAの非課税が及ぶ範囲や注意点について解説します。

NISAは投資によって発生した利益を非課税にする

NISA(少額投資非課税制度)は、投資行動によって得た利益に対して、本来かかる税金20.315%がかからなくなる制度です。通常、特定口座や一般口座で行った取引で得た譲渡益、配当金、分配金には、所得税や住民税、復興特別所得税が発生しますが、NISA口座では発生しません。
NISA口座には次の2種類の投資枠があり、それぞれ年間上限額が決まっています。


・つみたて投資枠:年間120万円
・成長投資枠:年間240万円

合計360万円の投資枠は、余っても翌年以降に繰り越しできず、翌年になるとリセットされます。

NISAなら「もらった300万円」も非課税?

今回のケースの場合、夫から妻に渡された300万円は投資による利益ではなく、単に「運用資金」として譲渡されたお金です。NISAはあくまで運用後に出た利益を非課税の対象としているため、今回の300万円は非課税になりません。通常の「贈与」とみなされ、贈与税の対象になります。
贈与税の計算は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に発生した贈与額を合計します。そこから「基礎控除」として110万円を差し引き、最後に税率を乗じて算出された額が贈与税額です。
表1に、夫婦間の贈与で適用される一般税率についてまとめました。
表1

基礎控除後の課税価格 税率 控除額 200万円以下 10% - 300万円以下 15% 10万円 400万円以下 20% 25万円 600万円以下 30% 65万円 1000万円以下 40% 125万円 1500万円以下(以下略) 45% 175万円

出典:国税庁「No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)」を基に筆者作成
今回のケースでは300万円から基礎控除額の110万円を差し引き、残った190万円が課税対象です。税率は10%が適用され、19万円の課税額になるでしょう。
一方、300万円を一度に渡さず、110万円以下の金額で数年にわたって贈与した場合は、110万円の基礎控除を適用することにより、原則として課税はされません。

夫婦間のお金のやり取りでも贈与税がかかる?

夫婦間でのお金のやり取りは、贈与税はかからないと思う人もいるかもしれません。しかし国税庁によると、直系尊属以外の親族(夫、夫の父や兄弟など)から贈与を受けた場合、「一般贈与財産用」とみなされます。
相続税法の第21条の3によれば、「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」については贈与税の対象になりません。
つまり通常の生活費や必要な教育費の名目であれば贈与税を気にする必要はありませんが、投資目的は課税対象になります。仮に生活費の名目で300万円を渡していても、それを貯蓄や投資などに回した場合は、贈与税がかるため注意が必要です。

NISAは投資利益を非課税にするものであり贈与されたお金には適用されない

NISA口座はあくまで、投資によって発生した各種利益を非課税にする制度であり、単純なお金のやり取りには適用されません。
投資に使う目的で300万円を渡したとしても、投資によって得られた利益ではないため、基礎控除を差し引いた後の190万円に対して課税されます。
贈与税が気になる場合は、一度に300万円を渡すのではなく、年間あたり基礎控除額内におさまるようにして数年に分けて渡すとよいでしょう。
 

出典

政府広報オンライン 「NISA」って何?わかりやすく解説
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)
デジタル庁 e-GOV 法令検索 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号) 第二章 課税価格、税率及び控除 第二節 贈与税 (贈与税の非課税財産)第二十一条の三
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー