「脂質異常症」の原因・食事の注意点はご存知ですか?医師が監修!

血圧が気になる時のお菓子選びは?メディカルドック監修医師がおすすめのおやつや注意すべきリスク、食べ方の工夫、関連する病気や質問を詳しく解説します。

この記事のまとめ

・無塩ナッツはマグネシウムやカリウム、不飽和脂肪酸を含むが、カロリーが高いためひとつかみ程度を目安にすることが大切である。

・砂糖を加えていない果物・ドライフルーツはカリウムを含み、余分なナトリウムの排出を促すが、ドライフルーツは糖質やカロリーが多くなりやすいため量を決めて食べる必要がある。

・高カカオチョコレートはカカオに含まれるポリフェノールが血圧をわずかに低下させる可能性があるが、脂質やカロリーも多いため糖分の少ないタイプを少量楽しむ程度にとどめる。

・無糖ヨーグルトはカルシウムやたんぱく質を補いやすいおやつだが、加糖タイプは糖分が多くなるため無糖タイプを選び、いずれのおやつも毎日ではなく時々楽しむ程度に抑えることが重要である。

監修医師:
小鷹 悠二(おだかクリニック)

福島県立医科大学医学部卒業 / 専門は循環器内科 / 2009/4月~2013/3月宮城厚生協会坂総合病院 / 2013/4月~2017/3月東北大学病院循環器内科・同大学院医員 / 2017/4月~2018/5月仙台オープン病院循環器内科医長 / 2018/5月~おだかクリニック副院長 / 診療所での外来業務に加え、産業医、学校医としての業務も行っている。

血圧とは?変動のメカニズムと高血圧の健康リスク

血圧は健康診断などで必ずといってよいほど測定されますが、「数字が高いとなぜいけないのか」までは知らない方も少なくありません。まずは血圧の基本から確認してみましょう。

血圧とは?血圧が上下する仕組み

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を内側から押す力のことです。心臓が縮んで血液を送り出したときの圧力が「上の血圧(収縮期血圧)」、心臓が広がって次の血液をためているときの圧力が「下の血圧(拡張期血圧)」です。血圧は常に同じではありません。運動すると上がり、休むと下がるほか、緊張、睡眠、気温、食事、飲酒などによっても変化します。そのため、一度高かっただけで高血圧と判断するのではなく、家庭でも繰り返し測定することが重要です。

高血圧の基準はいくつから?意外と知らない健康リスク

日本では、医療機関で測った血圧が140/90mmHg以上、家庭で測った血圧が135/85mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。高血圧の怖いところは、かなり高くなっても症状が出ないことが多い点です。高い圧力が長期間血管にかかると血管が傷み、動脈硬化が進みます。その結果、脳卒中、心筋梗塞、心不全、慢性腎臓病などの危険性が高まります。「頭痛やめまいがないから大丈夫」と考えず、血圧の数字そのものを確認して管理することが大切です。

血圧が高めの方におすすめのおやつとは?

高血圧の方のおやつ選びで大切なのは「血圧を下げるお菓子」を探すことではなく、塩分・糖分・カロリーをとりすぎず、食事で不足しやすい栄養素を補えるものを選ぶことです。

無塩ナッツ

アーモンドやくるみなどのナッツには、マグネシウムやカリウム、不飽和脂肪酸などが含まれています。高血圧の方では「塩味付き」ではなく「食塩無添加」を選ぶのがポイントです。ただし、ナッツはカロリーが高いため、ひとつかみ程度を目安として食べすぎないようにしましょう。

果物・砂糖を加えていないドライフルーツ

果物にはカリウムが含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウムを尿から排出する働きがあり、血圧管理に役立ちます。ドライフルーツは少量でも糖質とカロリーが多くなりやすいため、砂糖不使用を選び、量を決めて食べましょう。なお、腎機能が低下している方はカリウムを制限する場合があるため、主治医への確認が必要です。

高カカオチョコレート

カカオに含まれるフラバノールなどのポリフェノールには、血管の働きを整え、血圧をわずかに低下させる可能性が複数の研究で報告されています。ただし、チョコレートそのものは薬ではありません。脂質やカロリーも多いため、「血圧に良いから」とたくさん食べるのは逆効果です。糖分が少ない高カカオタイプを少量楽しむ程度にしましょう。

無糖ヨーグルト

ヨーグルトなどの乳製品はカルシウムやたんぱく質を補いやすく、果物や無塩ナッツを加えれば満足感のあるおやつになります。加糖タイプでは糖分が多くなることがあるため、無糖タイプを基本にするとよいでしょう。GABAなどを含む機能性表示食品も販売されていますが、表示される機能はそれぞれの商品について届け出られた内容に基づくものです。「高血圧を治療する食品」ではありません。また、上記で紹介した食べ物も食べ過ぎれば脂質や血糖を上昇させたり、体重が増えることで生活習慣病の発症・悪化につながる可能性もあります。「毎日ではなく、たまに食べる程度」にすることが基本です。

妊娠高血圧症候群の方や予防したい方へのおすすめのおやつ

妊娠中の高血圧は母体だけでなく赤ちゃんにも影響することがあるため、「血圧に良いとされる食品」を自己判断で大量にとるのではなく、産婦人科で適切な管理を受けることが最も重要です。

牛乳・ヨーグルトなどの乳製品

カルシウム摂取量が少ない妊婦では、十分なカルシウム摂取が妊娠高血圧腎症(妊娠高血圧症候群の一つ)の予防に役立つ可能性があります。おやつとして無糖ヨーグルトや適量の乳製品を取り入れる方法があります。

果物

果物はカリウム、ビタミン、食物繊維などを摂取できます。ジュースよりも果物をそのまま食べるほうが食物繊維をとりやすく、満腹感も得られます。ただし、妊娠糖尿病がある場合には食べる量について医師や管理栄養士に相談しましょう。

無塩ナッツ

ナッツは塩分を増やさず、少量で満足感を得やすい食品です。野菜、果物、全粒穀物、豆、ナッツ、魚などを含む食事パターンと妊娠中の高血圧リスクとの関係が研究されていますが、特定のおやつだけで妊娠高血圧症候群を予防できるわけではありません。妊娠中はサプリメントや健康食品も自己判断で使用せず、産婦人科医に相談することが大切です。また、上記の食品も取りすぎれば脂質の上昇や体重増加につながるため、週2~3日にする、少量楽しむ程度にするといったことにも注意が必要です。

高血圧と糖尿病を気にする方におすすめのおやつ

高血圧と糖尿病は同時にみられることが多く、両方があると心臓や脳、腎臓の病気の危険性がさらに高まります。塩分だけでなく糖質や総カロリーにも注意しましょう。

高血圧と糖尿病を気にする方におすすめのおやつは?

無塩ナッツ、無糖ヨーグルトなど、糖分と塩分の両方を抑えやすい食品がおすすめです。果物も選択肢になりますが、「健康によいから」と大量に食べると糖質のとりすぎになります。お菓子を購入するときは「糖質オフ」という言葉だけで判断せず、エネルギー、炭水化物・糖質、脂質、食塩相当量を確認しましょう。

おやつを食べる時の注意点はありますか?

最も重要なのは量を決めることです。袋から直接食べると、知らないうちに量が増えやすくなります。最初に食べる分だけ小皿に取り分けるとよいでしょう。また、医学的に補食としておやつを食べる必要がない人に関しては、おやつは連日にしない、毎日の習慣にしないことも大切です。おやつではなく、普段の食事をしっかり食べれるようにすることが一番大切です。

おやつを食べる際に知っておきたい健康リスクと注意点

おやつで問題になるのは甘いものだけではありません。塩分、脂質、カロリーにも注意が必要です。

塩分の多いスナック菓子に注意する

ポテトチップス、せんべい、スナック菓子などには塩分を多く含む商品があります。塩分をとりすぎると体内に水分がたまりやすくなり、血圧上昇につながります。商品ごとの差も大きいため、パッケージの「食塩相当量」を確認しましょう。

「甘いお菓子なら塩分は関係ない」と考えない

洋菓子やパン、クラッカーなどにも食塩が含まれていることがあります。また、糖分や脂質を多く含むお菓子を食べすぎると、体重増加を通じて血圧が上がりやすくなります。

肥満を防ぐ

おやつによるカロリー過多が続くと体重が増え、高血圧、糖尿病、脂質異常症などにつながります。最近体重が増えてきた、腹囲が大きくなった、血糖値も高くなったという場合には、食生活全体を見直す必要があります。

高血圧を指摘されたら放置しない

健康診断で血圧が高いと指摘された場合は、家庭でも朝・晩に血圧を測ってみましょう。家庭血圧135/85mmHg以上が繰り返し続く場合は、内科や循環器内科への受診をおすすめします。

高めの血圧を良好に保つための上手なおやつの食べ方・工夫

おやつは「食べる・食べない」だけでなく、選び方と食べ方を変えることも重要です。

栄養成分表示を見る習慣をつける

特に確認したいのが「食塩相当量」と「エネルギー」です。糖尿病や肥満が気になる場合には糖質・炭水化物、脂質も確認しましょう。

袋ごと食べない

大袋のお菓子は最初に1回分を小皿に取り分けます。個包装の商品を選ぶのも、食べすぎを防ぐ方法です。

おやつを「栄養を補う時間」にする

スナック菓子やケーキだけがおやつではありません。無糖ヨーグルト、果物、無塩ナッツなどを選べば、カルシウム、カリウム、食物繊維などを補う機会にもできます。

毎日の習慣にしない

高血圧対策の基本は、食事全体の減塩、適正体重の維持、運動、節酒、禁煙、十分な睡眠などです。間食はいくら内容に気をつけても、毎日食べていれば体重増加や脂質の上昇などに影響してしまいます。そのため、「毎日はダメだが、週2~3日程度食べる」「できるだけ頻度は減らす」ことを心がけて、連日ではなく、時々楽しむくらいに抑えることが大切です。

「血圧」で気をつけたい病気・疾患

ここではメディカルドック監修医が、「血圧」に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

高血圧

血圧が高い状態が続く病気です。ほとんどの場合は自覚症状がありませんが、長期間放置すると血管、心臓、脳、腎臓などに負担をかけます。家庭血圧が135/85mmHg以上で続く場合には医療機関に相談しましょう。

脳卒中(脳梗塞、脳出血)

脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れる脳出血などの総称です。高血圧は脳卒中の重要な危険因子です。突然、顔がゆがむ、片方の手足が動かない、言葉が出ないなどの症状が現れたら、すぐに救急車を呼びましょう。

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)

心臓に血液を送る血管が狭くなったり詰まったりする狭心症や心筋梗塞などを指します。高血圧は動脈硬化を進め、その危険性を高めます。胸を締め付けられるような痛み、冷や汗、強い息苦しさなどがあれば、早急な受診が必要です。

「血圧とおやつ」についてよくある質問

ここまで血圧とおやつについて紹介しました。ここでは「血圧とおやつ」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

高血圧の人が日常的に食べても問題のないおやつはどのようなものですか?

小鷹 悠二 医師

無塩ナッツ、無糖ヨーグルト、適量の果物などが選びやすいでしょう。重要なのは特定の食品ではなく、塩分・糖分・カロリーが多すぎないものを、適量だけ食べることです。腎臓病や糖尿病がある場合には、カリウムや糖質について個別の注意が必要です。

チョコレートは高血圧対策に良い効果がありますか?

小鷹 悠二 医師

カカオに含まれるフラバノールには血管の働きを改善し、血圧をわずかに下げる可能性が研究で示されています。しかし、チョコレートには脂質やカロリーも多く含まれます。「血圧を下げるためにたくさん食べる」のではなく、糖分の少ない高カカオタイプを少量楽しむ程度にしましょう。

高血圧対策でおやつを手作りするときの簡単なポイント・工夫はありますか?

小鷹 悠二 医師

塩と砂糖を控え、素材そのものの味を生かすことが基本です。無糖ヨーグルトに果物や無塩ナッツを加える、果物を使って甘みを補うなどの方法があります。「手作り=健康的」とは限らないため、バター、砂糖、生クリーム、塩などの量にも注意しましょう。

まとめ 血圧とおかしは「完全に禁止」ではなく「選び方と量、頻度に注意すること」が大切!

高血圧だからといって、おやつを完全に禁止する必要はありません。大切なのは、「血圧を下げるお菓子」を探すことではなく、塩分・糖分・脂質・カロリーの少ないものを上手に選ぶことです。無塩ナッツ、無糖ヨーグルト、適量の果物などを活用し、市販品では栄養成分表示を見る習慣をつけましょう。高カカオチョコレートなど血圧への効果が研究されている食品もありますが、薬の代わりにはなりません。そして、おやつを工夫するだけでは高血圧対策は十分ではありません。食事全体の減塩、適正体重、運動、節酒、睡眠などを整えながら、家庭血圧を定期的に確認すること、そしておやつは「毎日は食べないようにする」事が大切です。

「血圧」と関連する病気

「血圧」と関連する病気は10個ほどあります。
各病気の詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

循環器系の病気

循環器系

高血圧症

脳梗塞脳出血虚血性心疾患心不全

心房細動

慢性腎臓病

大動脈瘤

睡眠時無呼吸症候群

代謝・内分泌系の病気

代謝・内分泌系

糖尿病脂質異常症

高血圧は単に「血圧の数字が高い」だけの問題ではありません。長期間続くことで全身の血管が傷み、脳、心臓、腎臓などさまざまな病気につながるため、症状がなくても適切に管理することが重要です。

「血圧」と関連する症状

「血圧」と関連している症状は12個ほどあります。
各症状の詳細についてはリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

頭痛

めまい・ふらつき

動悸

息切れ

胸の痛み・圧迫感

むくみ

倦怠感立ちくらみ

意識を失う

手足のしびれ・麻痺

顔のゆがみ

ろれつが回らない・言葉が出にくい

高血圧は無症状のことが多く、「症状がない=血圧に問題がない」とは限りません。一方、突然の胸痛や呼吸困難、片側の手足の麻痺、顔のゆがみ、言葉が出ないなどの症状が現れた場合には、心筋梗塞や脳卒中などの可能性があるため、速やかに救急車を呼んでください。

参考文献

高血圧管理・治療ガイドライン2025

Effect of Cocoa Beverage and Dark Chocolate Consumption on Blood Pressure in Those with Normal and Elevated Blood Pressure: A Systematic Review and Meta-Analysis. Foods. 2022 Jul 1;11(13):1962.