【新NISA】9月配当取りを狙える、注目の日本株「連続増配株5選」を実名公開
半導体株・AI株が強い。一方、新NISAの成長投資枠への投資で、増配株には根強い人気がある。9月は日本株の多くが権利付最終日(この日までに株を買えば配当金が貰える)を迎える。本稿は、9月に権利付最終日を迎える増配株に注目する。半導体株・AI株の中から増配株も紹介する。解説は『3倍・5倍・10倍の神株が続出! 半導体株&AI株 投資大全』(共著、すばる舎)の著者、桶井道(おけいどん)氏にしてもらう。桶井氏は、高配当株・増配株および半導体株・AI株で資産成長させ、関連著書も複数出版した実績がある。
新NISAで増配株を持つ魅力
成長投資枠で増配株への投資は一定の人気があります。特定口座等、通常の課税口座では、配当金に対して20.315%の課税があります。ところが、NISA口座では「永久に」配当金への課税がタダ、0円なのです。たとえば、年間100万円の配当金があったとして、課税口座なら約20万円が手元からなくなります。10年で約200万円、20年で約400万円もの課税…これが新NISAなら「永久に」タダになるのは大きいですね。
私の銘柄選択法 13個のポイント
増配株の銘柄分析法を解説します。配当利回りや連続増配年数だけを見てはいけません。それを可能とする裏付けがあるかを確認しましょう。持続的に優良銘柄であり続けるかを見極めなければなりません。
(1)市場規模が拡大している業界
投資するときは、市場規模が拡大している業界、つまり需要が増える業界を選ぶことが大切です。需要が増えるから、そこに供給を増やすことで企業は成長できます。増収(売上高が増える)して、増益(利益が増える)して、増配(配当金が増える)と、「3増株」になることができるのです。さらには、株価の上昇も期待でき、含み益も増えれば「4増株」です。よって、銘柄を選ぶ前に、業界(市場規模が拡大している業界)を選ぶことが大切です。
(2)ナンバーワンかオンリーワン
投資するなら大型株(TOPIX構成銘柄で時価総額と流動性が高い上位100位)か、それに準ずる大企業が安心です。私は時価総額1兆円以上を目安にしています。経営状態が安定している企業が多く、株価のボラティリティが低く、流動性があり(投資する人が多い)売買しやすいからです。そして、業界ナンバーワン企業(もしくは2位まで)に投資しましょう。または、3位以下でもニッチに稼ぐオンリーワン企業(グローバルニッチトップ企業)を選びましょう。
(3)増収増益、そして営業利益率は
株価は企業価値に連動します。企業価値を簡単に言い換えますと、「どれだけ儲けているか。儲けを伸ばせるか」ということです。よって、増収増益、つまり売上高も営業利益も成長している企業を選びましょう。合わせて、一株当たり利益(EPS)が成長しているかも確認してください。売上高が増えて営業利益も増えているから、一株当たり利益も増えているから、株価が上昇して、配当も増やせる。極めてシンプルな答えですね。私は、増収+増益+増配の「3増株」が好きです。さらには、営業利益率も確認しましょう。営業利益率10%以上あれば合格ラインです。
(4)株価のトレンド確認
配当金をたくさん貰っても、それ以上に株価が下がっては意味がありません。結局損しているなんてことになったら本末転倒です。株価が上がる銘柄が理想です。5年チャートや10年チャートでトレンドを確認しましょう。ここで、下降線を描く銘柄には近づいてはいけません。長期トレンドは簡単には好転しません。
(5)配当性向
無理な配当をしていないか確認しましょう。配当性向(利益に占める配当金の割合)が概ね50%以下の銘柄を選んでください。逆に、低すぎても株主還元が十分ではなく、30%以上は欲しいところです。
(6)連続増配年数、増配率、減配の過去を確認
連続増配年数は何年か。もちろん長いほど優良です。増配率(配当の前年対比)も確認しましょう。これも高いほうが優良です。さらに、リーマンショックやコロナ禍など社会全体が悪かったときを除き、頻繁に減配していないかを確認してください。逆に、金融危機のときも増配していたら高く評価できます。ただし、業績連動型配当を方針とする企業の場合、減益時の減配は仕方がありません。
(7)自社株買いの推移
自社株買いをすると株価は上がります。連続して自社株買いをするということは株主還元に熱心であるといえます。
(8)自己資本比率
低いほど借金が多いことを意味します。自己資本比率40~50%以上が目安です。
(9)ROEが高いか
ROEとは、自己資本利益率と訳されますが、簡単にいうと、経営効率が良いかどうかを表します。米国株に比べ日本株は低い傾向にありますが、2桁あれば優良、8%あれば合格ラインです。
(10)増資の過去がないか
増資(株式を新しく発行し資金を集めること)すると株価は下がります。株主の利益になりません。
(11)不祥事の過去がないか
一度不祥事を起こすと、連続する傾向があります。この間、不祥事を詫びたばかりなのに、「またか」と思ったこと、きっとおありでしょう。なかには、外部要因と思われるケースもありますが、企業の対応を見極めましょう。
(12)後継者問題がないか
カリスマ経営者の後継者問題はリスク要因です。経営者の年齢や健康状態、後継者育成について確認しましょう。
(13)PER推移
1~12で分析して優良銘柄を見つけたとしても、高値掴みに注意しなくてはいけません。PERが過去に比べて高くなっていないかを確認しましょう。私は予想PERを使って確認します。予想PERは、「現在の株価」を「1株当たり利益(予想)」で除すことで計算できます(予想PER=株価÷1株当たり利益(予想))。1株当たり利益(予想)は決算短信などで確認できます。証券会社(サイト)によっては、予想PERの推移をグラフで確認することが可能です。
以上13個のポイントをあげましたが、全項目をクリアする銘柄はなかなかありません。総合的に判断してご自身が納得できる銘柄を探してください。
この9月、注目の銘柄は…
それでは、日本の増配株を紹介します。次に紹介する銘柄は9月28日(月)が権利付最終日(この日までに株を買えば配当金が貰える)です。
※推奨ではなく紹介です。( )内は銘柄コードです。
(1)日立製作所(6501)
大手総合電機メーカーです。近年、事業再編によりポートフォリオを転換し、社会インフラとデジタルを軸としています。エヌビディアとAIで協業し、Open AIと戦略的パートナーシップを締結しています。社会インフラとAIを組み合わせて、実用化、収益化できる企業として期待しています。
業績は上昇傾向にあります。営業利益率(3年平均、以下同様)は10%弱あり、大手総合電機メーカーのなかで勝ち組と言えるでしょう。5年チャートは上昇トレンドです。10期連続増配中です。実績配当利回りは0.93%(9月4日現在、以下同様)です。
(2)三井住友フィナンシャルグループ(8316)
メガバンクグループ3社の一角です。ゼロ金利下で鍛えられ、海外で稼ぐ力を持っています。金利のある世界となった日本での業績成長に期待できます。更なる利上げがあれば、プラス材料になります。経費率が相対的に低く、経営の効率性に一日の長があります。業績は近年しっかりと伸ばしています。5年チャートは上昇トレンドです。配当方針は「累進的配当方針」とする旨を公表しています。6期連続増配の予定です。予想配当利回りは2.54%です。
(3)三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
国内最大の総合金融グループです。邦銀随一の海外拠点網を有します。銀行に偏らない収益源と海外収益比率の高さが特長です。業績は近年しっかりと伸ばしています。更なる利上げがあれば、更なる業績成長に期待できます。5年チャートは上昇トレンドです。配当方針は「利益成長を通じた1株当たり配当金の安定的・持続的な増加を基本方針」とする旨を公表しています。6期連続増配の予定です。予想配当利回りは2.54%です。
(4)東京海上ホールディングス(8766)
東京海上日動火災保険を中核とする日本最大手損保グループです。生命保険事業もしています。なんといってもバークシャー・ハサウェイによる投資が最大のトピックでしょう。2026年3月に、東京海上ホールディングスへの投資と戦略的提携の締結を発表しました。2026年のバークシャー・ハサウェイの株主総会にて、新CEOのアベル氏が東京海上ホールディングスの株式保有について永久の投資と考えていると言及したとされます。この先、グローバルなM&Aなどで連携して成果を挙げることが期待されます。
2000年代以降、M&Aによって事業をグローバルに拡大させてきました。海外の保険会社を複数、大型買収しています。損害保険料については、保険の普及率が低く、人口が増加傾向にある新興市場では経済成長を上回る成長をしています。先進国では経済成長に連動して成長しています。
業績は増収増益傾向にあります。5年チャートは上昇トレンドです。中期経営計画2026にて「原則、減配はしない」との言及があることは心強いです。普通配当では15期連続増配の予定です。予想配当利回りは3.07%です。
(5)味の素(2802)
うまみ調味料「味の素」が有名です。アミノ酸のはたらきに徹底的にこだわり、成長してきました。調味料・食品事業、冷凍食品事業、ヘルスケア事業などを有します。
ICT(情報通信技術)分野では、半導体関連の商品(味の素ビルドアップフィルム・ABF)を製造しています。ABFはCPUやGPUなど高性能半導体の絶縁材としてスタンダードとなり、世界シェアは95%もあります。2030年に向けヘルスケアやICT分野などの成長を目指すとしています。安定の食品と成長の半導体でバランスが良い事業ポートフォリオだといえるでしょう。食品株から食品・半導体株へとシフトすることが期待されます。
業績は近年伸びています。営業利益率は約10%です。5年チャートは、2025年11月以降に大きく調整しましたが、その後急回復・再上昇しており、長期で見ると上昇トレンドです。累進配当政策を導入しており、7期連続増配を予定しています。予想配当利回りは0.97%です。
* * *
増配株を長期保有すれば、投資額(簿価)に対する配当利回りが高くなりますので、投資先として魅力的です。下落相場が訪れても、配当金が心の支えとなりますので安心感があります。9月の権利付最終日を前に、日本の高配当株・増配株に注目してみてはいかがでしょうか。繰り返しになりますが、新NISAであれば、配当金が「永久に」非課税であることも大きな魅力といえるでしょう。
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◆免責事項
この記事では株式投資についてご紹介しましたが、あらゆる意思決定、最終判断はご自身の責任において行われますようお願い致します。ご自身の資産運用等において、損害が発生した場合、編集部ならびに筆者は一切責任を負いません。ご了承ください。
桶井道
個人投資家(投資歴27年、資産2.7億円)・投資作家(単行本7冊出版+台湾にて翻訳書1冊)。1973年生まれ。
世界の高配当株・増配株+半導体株・AI株を100銘柄以上持つ。2018年に半導体株の伸び代に気がつき、いち早くTSMCに投資。以降、「メガ潮流」と見て、半導体株・AI株を増やし続け、資産形成してきた。現在、半導体株・AI株だけで30銘柄以上を保有するが、さらに増やし、資産成長のスピード上げていく。むしろ、これからが本番だと思っている。
著書は『3倍・5倍・10倍の神株が続出! 半導体株&AI株 投資大全』(すばる舎)、『資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全』(PHP研究所)、『普通の人のための投資 いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)、『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)など。
X(旧Twitter):@okeydon
ブログ「おけいどんの適温生活と投資日記」
https://okeydon.hatenablog.com
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