日本に蔓延る「オンラインスポーツ賭博」の闇…北中米W杯で「13億円」を荒稼ぎした業者を直撃!

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稼いだポイントは別業者で換金して…若者も高齢者も取り込んで拡大中

記者の手元に1枚のビラがある。一見したところ、ただのスマホゲームの広告なのだが--中央にある二次元コードを読み込むと、あるサイトに繋がる。タブにある「スポーツ」をクリックすると、MLBやJリーグの試合がズラッと表示され、その勝敗にオッズが記されていた。これは、オンラインスポーツ賭博サイトへの誘導ビラなのである。

オンラインスポーツ賭博は’05年にイギリスで初めて合法化された。欧州の主要国は’10年代に入ってから、アメリカは’18年に合法となっている。海外では「スポーツベッティング」と呼ばれ、野球、テニスゴルフと対象は多岐にわたる。だが市場の半分はサッカーと言われており、先の北中米W杯では、過去最大級のカネが動いたという。

「北中米W杯は参加国が48ヵ国に拡大され試合数も増加。大会規模は過去最大となりました。世界中のスポーツベッティングサイトも活況で、大会期間中の39日間の賭け金の合計は9.6兆円以上に上ると算定されています。これは前回大会の1.7倍にあたります」(全国紙経済部記者)

3枚目の写真は北中米W杯の際に、先のサイト内に登場した特設ページのスクショだ。試合がズラリと並び、それぞれの勝敗にオッズがついている。上段に「ワールドカップの試合結果に賭けられます」という文言が見える。日本でもW杯は賭けの対象となっていたのである。

日本では原則として賭博は禁止されており、オンラインスポーツ賭博も例外ではない。だが、摘発はなかなか進んでいないのが実情だ。スマホ1台で完結してしまう秘匿性の高さに加え、取り締まりを困難にしているのが、運営元と支払い業者を分ける「三店方式」にある。

「運営はサイト内でしか使えないポイントを発行し、利用者はそれを購入してギャンブルを行う。これだけなら合法のアミューズメントカジノと同じ。しかし、基本的にオンラインスポーツ賭博のポイントは特定の決済業者によって現金や仮想通貨への換金が可能なのです。

運営と客が直接やり取りせず、第三者を挟んだ3者間でカネを回すことで、法の網目を潜り抜けようとしているのです」(オンライン賭博事情に精通するジャーナリスト)

カジノ研究を専門としている大阪商業大学の谷岡一郎学長が解説する。

「専用のポイントを発行し、それを利用者が別の場所で現金などに換えるという三店方式は、刑法185条・186条の賭博罪に抵触するため明らかに違法です。

たとえ利用者と店以外の第三者を介在させ、現金化までのルートを迂回させたとしても、発行されたポイントは賭博罪の定める『一時の娯楽に供(きょう)する物』を逸脱すると判断されるからです。店側は常習賭博罪に、利用者は単純賭博罪に問われる可能性があります」

インカジ店舗が入る建物。見た目は普通の雑居ビルだが、中ではスポーツ賭博など違法な賭け行為が行われている

スポーツ賭博の業者『X』曰く、「客は3倍に増えた」

FRIDAYは今回、冒頭のビラを製作したスポーツ賭博の業者『X』との接触に成功した。『X』は東京・新宿に拠点を持ち、ひと月あたりの利用者数は5000人ほどで、業界内では中堅クラスだという。

「うちは前回のW杯あたりに立ち上げた。これまではカジノゲームを中心にしていたが、W杯に合わせて数百万円かけて賭博専用ページを作ったんだ。客は3倍くらいに増えたよ。金額で言えば、ひと月で13億円くらいは稼いだかな」

『X』のサイトには、件(くだん)のビラに記載された二次元コードを読み込むことでしかアクセスできないという。普段は違法インターネットカジノの店舗などクローズドな場所にビラを置いているというが、W杯中は積極的に利用者を勧誘した。

「知り合いのスポーツバーに営業部隊を派遣して、興味がありそうな人間にビラを手渡しして誘った。今までは30~40代のサラリーマンが中心だったけど、20代の若者や60代の客がずいぶん増えた。高齢者はカネを持っているから、賭ける額も大きい。そこを取り込めたのはでかい」

違法行為で利用者からカネを搾取している認識はあるのか。問題の核心を直撃すると、白々しい答えが返ってきた。

カモにしているなんてつもりはない。あくまでお客″様″だと思っていますよ。それにやっているのは、ウチだけじゃないですから」

犯罪行為に手を染めていることへの後ろめたさはまったく感じられなかった。

前出のジャーナリストによると、「W杯以降、国内では100以上のオンラインスポーツ賭博サイトが確認されている」という。闇が日本を蝕みつつある。

『FRIDAY』2026年9月11・18日合併号より