1000馬力超のフラット6は3.6から4Lへ拡大 ギュンターワークスF-26(1) 見惚れるほどのカーボンボディ 26台限定で約2.5億円から
普通のガソリンでも最高出力は1014ps
2022年に筆者が試乗した、ギュンターワークスの993スピードスター・リマスタードは、441psだった。素晴らしいモデルへ仕上がっていたが、そこまで圧倒される速さとはいえなかった。しかし、4年後の最新作は大幅な進化を遂げている。
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今回試乗したのは、同じく993型ポルシェ911をベースとした、F-26。バイオエタノールに15%のガソリンを混ぜた燃料、E85を使用すると、最高出力は1082psに達するとか。普通のガソリンを注いでも、1014psに届くという。

ギュンターワークスF-26(993型ポルシェ911ベース)
今回のデモ車両は、試乗を前提に900馬力程度へ抑えられていた。それでも、車重は1247kgと軽いから、ハイパワーなことに間違いない。
ギュンターワークス社はカリフォルニア州を拠点に、911のレストモッドを手掛けてきた。彼らの特徴といえるのが、この業界では定番といえる964型ではなく、最後の空冷フラットシックスを積んだ、30年ほど前の993型を素材にしていることだろう。
26台の限定で約2億5000万円から
同社は、カーボン製エアロや鍛造ホイールを得意とする、ヴォルシュタイナー社から派生した企業。モダンに仕上げることも、クラシカルに仕上げることも、自由自在といえる。F-26のように、その中間といえるレーシーなスタイルも。
少量生産を基本とし、F-26の生産数は数字が示す通り26台。そのかわり、お値段は約118万ポンド(約2億5370万円)からと、レストモッド水準でもお高め。投じられる手間暇を考えれば、法外なものとはいえないだろう。

ギュンターワークスF-26(993型ポルシェ911ベース)
この開発のきっかけとなった存在が、1980年代の930型911 ターボに存在した、フラットノーズ仕様。そのフラットノーズは、レーシングカーのポルシェ935に影響を受けたものだった。F-26のボディサイドに空いたエアインテークが、象徴的だ。
カーボン製ボディに独自開発のサスペンション
デモ車両は、英国の基準を満たすため、通常の993型へ通じる丸いヘッドライトを備える。しかし北米仕様のF-26には、フェンダーラインと一体になった、フラットなヘッドライトが与えられる。これ以前には、リトラクタブル式の限定仕様も存在していた。
ボディパネルは、ダイナミックなエアロキットも含めて、基本的にカーボン製。ボディシェルは大幅に強化され、ねじり剛性は200%増しだと主張される。

ギュンターワークスF-26(993型ポルシェ911ベース)
サスペンションは、前が独自開発のダブルウィッシュボーンで、取付部分も強化済み。リアはマルチリンクで、ホイールベースが伸ばされている。
ダンパーはリザーバータンク付きの可変式で、モードはコンフォート、スポーツ、トラック(サーキット)の3段階から選択できる。アーム類などはボールジョイント化され、快適性は二の次といえるが、試乗場所はサーキットだから不都合はない。
993用ユニットをベースに4.0Lツインターボ化
最大のハイライトは、空冷フラットシックスだろう。エンジンブロック自体は、オリジナルのカレラ2やカレラ4へ載っていた、993用の3.6Lユニットがベース。英国のロススポーツ・レーシング社の手で、排気量が4.0Lへ拡大されている。
シリンダー1本毎に2バルブの構成へ変わりはないが、巨大なギャレット社製ターボが2基組まれる。リアバンパーの奥で、その勇姿をチラッと拝める。エンジン上部にはファンが水平にマウントされ、吸気は美しいカーボン製インテークへ送り込まれる。

ギュンターワークスF-26(993型ポルシェ911ベース)
レブリミットは、通常は8000rpm。今回は7400rpmに制限されていたが、サウンドは豪快そのもの。この仕様のままだと、多くのサーキットで騒音規制に引っかかるはず。グッドウッドのノイズ計も、それを示していた。
見惚れるように美しいボディと同水準のインテリア
インテリアは、見惚れるように美しいボディと同水準で仕上げられる。スイッチ類の一部は993型譲りだが、不思議と調和して見えた。一般的なレストモッド・モデルより、機械的で機能的な雰囲気が醸し出され、非常に印象が良い。
バケットシートのパッドなどは、上質なレザー張り。アルカンターラも用いられ、フロアマットも備わる。だが、ダッシュボードやドアパネルなどはカーボン製なことを隠さず、軽さが意識されたことは明らかだ。

ギュンターワークスF-26(993型ポルシェ911ベース)
シフトリンケージはむき出しで、レーシーなキャビンへ見事に馴染む。小銭や飴玉を落とさないよう、気を配る必要はあるが。リアシートはなく、ロールケージが組まれる。
バケットシートは背もたれが置き気味で、サイドサポートが高い。腰掛けると、F-26の本気度の高さを実感する。それでも、オーディオはアップル・カープレイに対応する。
気になる走りの印象とスペックは、ギュンターワークスF-26(2)にて。

