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北朝鮮の金正恩総書記の娘とされるジュエ氏を巡り、今年はその姿が伝えられる機会が急増。“軍を率いる能力がある女性指導者”と印象づける演出もみられ、韓国の情報機関は、後継者に内定したのではとみています。注目の米朝首脳会談は開かれるのでしょうか?

そこで今回の#みんなのギモンでは、「“ジュエ氏”後継者内定段階か?」をテーマに解説します。

■北朝鮮メディアへの露出が急増

富田徹・日本テレビ解説委員
「これまでたびたび、金総書記が連れ立って歩く姿が報じられてきたジュエ氏とみられる娘について、韓国の情報機関である国家情報院が9月1日、事実上後継者に内定した段階との見方を示しました」

「その理由として、最近北朝鮮メディアへの露出が増えていることを挙げています。例えば今年2月、狙撃銃を撃つジュエ氏とみられる娘の姿が(朝鮮中央テレビで)公開されました。新たに開発されたという狙撃銃を試射しています」

「3月には、金総書記と一緒に新型の戦車に乗る様子が報じられました。このように、娘の活動を北朝鮮メディアが報じる回数が今年急増しています」

■軍事に関わる重要な場面に何度も登場

富田委員
「さらに注目されているのが、このジュエ氏とみられる娘が単にイベントに出席するというだけではなく、軍事に関わる重要な場面に何度も登場しているという点です」

「北朝鮮の人々に対して、“軍を率いる能力がある女性指導者”というイメージを強く印象づけるための政治的な演出だったと言えそうです。こうした状況証拠から、事実上後継者に内定した段階という見方が広がっているということです」

桐谷美玲キャスター
「金総書記が溺愛しているような感じがします」

■ジュエ氏は10代、2番目の子ども?

富田委員
「ただ、北朝鮮の外にいる私たちにとっては未だに謎が多く、韓国の国家情報院もいろいろと分析しています。それによると、金総書記には3人の子どもがいて、その2番目の子どもがジュエ氏。そして10代ではないかとされています」

「彼女が初めて公に姿を見せたのが2022年のことです。その後もミサイルの発射や軍事パレードなど、いろんな場面に金総書記は彼女を連れてきています」

「去年9月には、金総書記の6年ぶりの中国訪問の際にジュエ氏とみられる娘の姿も見られました。これが、初めて北朝鮮以外の国で確認された姿とされています」

鈴江奈々アナウンサー
「こういう大事な外交の場にも連れて行って、それが対外的なメッセージにもなっていますよね」

■呼び名はどう変化していった?

富田委員
「しかも、彼女が登場した時の呼称が変化しています。一番最初に姿が公開された時には、北朝鮮メディアは『愛するお子様』と紹介しました。それがその後には『尊いお子様』になりました」

「そして初登場から1年が過ぎると、“朝鮮の新星女将軍”という呼称が使われたといいます。ただ、これは一部の海外メディアが報じているだけで、北朝鮮メディアの報道ではまだ確認されていないので、慎重な見方もあります」

森圭介アナウンサー
「とはいえ、国民が愛すべき存在だったものが、少しずつ敬う存在になっていることが分かりますよね」

■注目…「米朝首脳会談」行われる?

富田委員
「それと同時に注目されているのが、アメリカのトランプ大統領と金総書記の首脳会談です。韓国の国家情報院は『いつでも可能だとみるべき』という見方を示しました」

「有力視されているのは、11月に中国で開かれる国際会議に出席するためにトランプ大統領が中国を訪れる前後のタイミングです」

「トランプ大統領の方が前のめりな姿勢を見せていて、8月には『会う予定だ』と言い切ってしまいました。さらに『彼は57個もの強力な核兵器を保有している』と述べて、まるで核保有国と認めるような姿勢もちらつかせています」

「ここまで前のめりになっているのは、イランとの戦闘も行き詰まる中で、ノーベル平和賞受賞などのレガシー作りを目指すトランプ大統領が北朝鮮との対話に活路を見出そうとしているからだという見方も出ています」

米朝首脳会談、北朝鮮側は応じる?

忽滑谷こころアナウンサー
「トランプ大統領の思惑は透けて見えますが、北朝鮮は応じる姿勢なんですか?」

富田委員
「北朝鮮側は、首脳会談についての立場はまだ明らかにしていません。ただ、金総書記の妹の与正(ヨジョン)氏は談話で、『(金総書記は)トランプ氏について個人的に良い思い出や感情を持っている』と含みを持たせています」

「一方で北朝鮮外務省は『アメリカの敵視政策は変わっていない』とも言及しています。北朝鮮が今アメリカから勝ち取りたいものが2つあり、そのメッセージが込められているとみられます」

「1つが、核保有国として認めてもらうこと。もう1つが、アメリカに敵視政策を撤回してもらうことです。この両方をのんでくれるんだったら会ってやってもいいよ、という姿勢が見られます」

■ロシアの後ろ盾、中国とも関係改善

富田委員
「なぜこんなに強気なのか。その背景についてNNNソウル支局の森鮎子支局長に聞きました」

「北朝鮮は今、ウクライナ侵攻を続けるロシアと事実上の軍事同盟を結んでいて、軍事的にも経済的にも強力な後ろ盾を得た状態。加えて中国とも関係改善が進んでいて、いわば対話に焦る必要がない。逆に成果を焦るトランプ大統領の足元を見る構えというわけです」

鈴江アナウンサー
「アメリカと北朝鮮の首脳会談がもし実現するとなると、娘のジュエ氏も同席させることもあり得るんでしょうか?」

富田委員
「韓国で興味深いことがありました。韓国の専門家が記者たちに対してのブリーフの中で、仮に首脳会談が実現しても、ジュエ氏は姿を見せない可能性が高いという見方を示したんです。やはり長く育てるという方針のもと、という見方を韓国の専門家は示しています」

首脳会談が実現するかはまだ分かりませんが、もしアメリカが核保有を認めたりすれば、一番脅威を受けるのはアジアの国々です。日本政府としてはしっかり釘を刺すことが必要になります」

(2026年9月3日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)