大学生の2人に1人が奨学金を借りている時代。将来設計どころか、じきに元本と利息の返済に延々と追われる…(C)日刊ゲンダイ

写真拡大

 今や大学生の2人に1人が奨学金を借りている時代。進学を諦めないためには必要な負担だが、長期金利の急騰が暗い影を落とす。金利上昇に連動して返済利子も上がるからだ。

【もっと読む】元立教大生に聞いた 「奨学金破産」で人生転落するまで

 奨学生の約9割が利用している独立行政法人「日本学生支援機構」の奨学金には、返済不要の給付型と返済が必要な貸与型がある。2024年度の実績は、貸与型の奨学生数が約108万人。うち有利子の第2種奨学金の利用者は約6割に上り、貸与終了から7カ月後には元本と利息の返済に追われることになる。例えば、今年3月に貸与が終わり、大学を卒業した新社会人は10月から返済が始まる。

 厄介なのは、「固定方式」でも、長期金利に伴い貸与終了時に適用される利率が変わることだ。高市内閣が発足した昨年10月の利率は2.012%だったが、今年7月には上限の3.000%に到達。この1%幅の上昇によって、月額10万円を4年間借りた場合、返済総額が587万円から645万円へと、実に約60万円も跳ね上がるのだ。

■「収入不安」が重荷

 先の国会で、高市首相は野党議員から奨学金の上限金利を3%で維持するよう求められ、「わかりました。維持します」と明言した。しかし、長期金利が下落しない限り、奨学金の利率は上限に張りついたまま。高市の放漫財政が招いた金利上昇のせいで、常套句の「現役世代の負担軽減」どころか負担増まっしぐらである。

 奨学金という名の借金は、将来設計もブチ壊しかねない。国内最大の奨学金サイト「ガクシー」の調査(25年6月6~16日実施)によれば、奨学金返済が将来の結婚に悪影響を与えると思うかとの問いに、大学生・院生の30.3%が「強く思う」、42.5%が「ある程度思う」と回答。こども家庭庁が先月31日に公表した若者10万人の総合調査(対象15~39歳)では、結婚のハードル1位が「収入不安」(40%)だった。

 少子化問題に詳しい日本総研主席研究員の藤波匠氏が言う。

「国の出生動向基本調査を見ても、結婚をためらう要因として経済的な理由がトップに挙がります。雇用が改善しているとはいえ、物価高のせいで生活が良くなっている実感は薄い。特に100万、200万円以上の返済負担を抱える若者にとって、金利高は大きな経済的負担に感じるでしょう」

 進学希望の若者に重い借金を負わせ、結婚したくてもできない国は「強く、豊かな国」とは言えない。

  ◇  ◇  ◇

 2人に1人の大学生が奨学金に頼っているという。その返済がその後の生活の大きな負担となっており、自己破産することも…。関連記事【もっと読む】『元立教大生に聞いた 「奨学金破産」で人生転落するまで』詳しく報じている。