どのカードが出るのか開封するまでわからないのも醍醐味のひとつ

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2026年6月末、一枚のMLB(米国メジャーリーグベースボール)カードが世界を驚かせた。大谷翔平選手の2018年Topps Chrome Superfractor(1-of-1)ルーキーカードが、ゴールディン・オークションズで256万2229ドル(約4億1400万円)で落札されたのだ。さらにこの夏には、大谷選手の直筆サイン入り「ゴールド・デュアル・ロゴマン」カードが、650万ドルの懸賞金付きで話題となり、最終的に1,100万ドル(約17億4000万円)で取引が成立。

ものによっては信じられない高額になるMLBカードとは一体何か?

MLBカード専門店「Tokyo Sports Cards」を運営するアンドリュー・ビショップ氏は次のように話す。

「現在のカード購買層は投機家と、本物のファンの大きく二つ。みんな次の大谷か山本を探しているんです」

なかでも大谷のカードは熱心なコレクターとファンの双方から絶大な需要があり、「新しいカードが入荷するたびに、数時間で完売することもある」。ドジャースの2連覇と大谷選手自身の活躍、さらに3連覇への期待を背景に、今年も大谷選手のカード価格の上昇は続いているという。

◆円安と「丁寧に扱う文化」が海外需要を引き寄せる

海外からの購入は現状およそ10%程度だが、円安の影響もあり増加傾向にあるという。その理由として挙げられるのが、日本のコレクション文化への評価だ。

「中古車と同じく、日本のコレクターはカードを非常に丁寧に扱う傾向があり、転売時の状態も良好だからなんです」

アメリカにおける野球カード単体の市場規模は現在約5億ドルとされ、2034年までに25億ドルへの成長が見込まれている。海外のコレクターが新しい在庫や投資先を求めて日本市場に注目し始めている背景には、こうした市場の拡大期待があるといえる。

ビショップ氏によれば客層の中心にいるのが値上がりを見込んで動く投機家層で、全体の半数以上を占めるとの見立てもある。

「当店の場合、購入金額の傾向としては、1回あたり1万~2万円が中心ですが、5万円、10万円の層も少なくない。リピーターも多く、一定の購買力を持つ層が市場を支えていると思います」

一方のファンは、高校時代から選手を追い続け、純粋な応援と収集欲が動機になっている層。彼らのなかで今、注目を集めているのが、日本人プロスペクト(ドラフト指名時や、参加球団在籍中の選手)と、ルーキーカード。

ルーキーカードは、実際にメジャーデビューし、公式にルーキー資格を満たした年に発行されるMLBロゴ付きの正式なカードのことだ。