なんでこんなに自動車税って上がるの?! ※画像はイメージです(arancione/photoAC)

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同じ車を10年以上大切に乗り続けてきたAさんは、定期的なメンテナンスを欠かさず愛着を持って乗っていた。そんなある日、今年届いた自動車税の納付書を見て言葉を失った。去年までより金額が明らかに高くなっていたからだ。

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これに対してAさんは「故障もさせず大切に物を使い続けているのに、なぜ税金が上がってペナルティを受けるのか納得がいかない」と憤る。

ではなぜ自動車税は、新車登録から一定期間が経過すると金額が上がるのだろうか。その仕組みや理由について、正木税理士事務所の正木由紀さんに話を気いた。

ーなぜ10年以上乗っている愛車の自動車税が急に高くなるの?

これは「自動車税のグリーン化特例」による重課措置が適用されたためです。新車登録から13年が経過したガソリン車やディーゼル車は、環境負荷が大きいとみなされ、毎年の自動車税(種別割)が約15%増税されます。

軽自動車の場合も軽自動車税が約20%上がります。10年前に購入した車であっても、前オーナー期間を含めて初度登録から13年を迎えると増税対象になります。さらに、車検時の重量税も13年目と18年目で段階的に値上がりするため、維持費全体の負担が大きくなる仕組みになっています。

ー新車登録から「13年」で税金が上がる法的な理由は何ですか?

主な理由は、排出ガスの削減と省エネ性能に優れた新車への買い替え促進です。制度設計の際、13年を超えた車両は最新モデルに比べて燃費が劣り、有害物質の排出量が多いというデータに基づき線引きがなされました。

古い車に重い税金を課すことで、より環境負荷の少ない車への乗り換えを促す意図があります。物を大切に長く乗るユーザーからは「エコに反する」という不満の声もありますが、税制上は個人の物持ちの良さよりも、国全体の二酸化炭素排出削減という環境保護が優先されているのが現状です。

ーエコカー減税やグリーン化特例と、この増税はどう関係していますか?

これらは「アメとムチ」として一体的に機能しています。「アメ」の側面では、電気自動車やハイブリッド車など環境性能の高い車を購入した際に税金を優遇する減税・軽課措置を行っています。一方で「ムチ」の側面として、旧式で環境負荷の高いガソリン車などに対して重課(増税)を行っています。

新車を買う人を優遇し、古い車に乗り続ける人の維持費を高くすることで、日本全体の通行車両を環境に優しい次世代車へシフトさせようとする、単一の環境政策上の枠組みとして組み合わされています。

ー古い車でも増税の対象外になる例外的な車種はありますか?

初度登録から13年が経過していても増税対象から除外される車種は存在します。代表的な例外は、電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、そして一般的なハイブリッド車です。

これらの環境対応車は、13年を超えても自動車税の15%増税措置を受けません。そのため、同じように古い車であってもハイブリッド車であれば増税されません。一方で、純粋なガソリン車やディーゼル車は、どんなに状態が良いクラシックカーであっても一律で増税対象になります。

◆正木由紀(まさき・ゆき) 税理士
10年以上の税理士事務所勤務を経て令和5年1月に独立。これまで数多くの法人・個人の税務を担当。現在は、社労士や司法書士ともチームを組み、「クライアントの生活をより充実したものに」をモットーに活動している。私生活では2児の母として子育てに奮闘中。

(よろず~ニュース特約ライター・夢書房)