高橋藍

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 バレーボール男子のアジア選手権は4日、福岡・北九州市立総合体育館で開幕する。優勝チームに2028年ロサンゼルス五輪の出場権が与えられる大一番を前に、日本代表アウトサイドヒッターで、仲良しコンビの大塚達宣(たつのり、25)=ミラノ=と高橋藍(25)=ルブリン=の「たつらん」対談が実現。出会い、高校時代のライバル関係、ホームで最短でのロス五輪切符獲得に向けてチームを引っ張る覚悟などを語り合った。(取材・構成=宮下京香)

 優勝すれば最短、本大会2年前にロス五輪切符を獲得するアジア選手権へ、気持ちは高ぶる。高橋が「ここで決めることで、五輪で勝っていくための準備をできるのが大きい。勝ちにこだわってやっていきたい」と意気込むと、大塚も大きくうなずいた。

 ファンから「たつらん」と呼ばれ人気のコンビ。1学年差の2人の出会いは。

 高橋藍(以下、藍)「僕が小4、達宣さんが5年生の時に存在は知っていた。当時から大きかったよね。逆に小学校の時、僕のことは知らんやろ?」

 大塚達宣(以下、大)「知らんな。僕は中学1年生の高橋藍君を知って。(高橋)塁君の弟は1年生? レシーブめっちゃうまいなと思った。あと僕が(京都)洛南高校1年の時に藍がよく練習に来てくれて、その時に話したよね」

 藍「達宣さんのコミュニケーション能力が高いから、グイグイ来てくれて」

 大塚が洛南、高橋は東山高で、京都のライバル校に進み、17年の全日本高校選手権(春高バレー)予選決勝では第2セットで東山の43-41の死闘を演じた。

 藍「高2までは、インターハイ予選は東山が勝つことが多くても、最後の春高予選は洛南に負けた。今、見返してもレベルが高い」

 大「(両校が)バチバチするのがええからな」

 ともに20年に日本代表候補に初選出されると、互いに刺激を受けて歩んできた。

 藍「特別にライバル視をするわけではないけど、代表でも達宣さんのプレーを見ていたら、自分も頑張らないけんなと思います」

 大「僕も一緒。嫌なライバル意識はないよな?」

 藍「そう、蹴落とそうみたいな感じはないんです」

 大「個人的に藍と対角を組んでコートに入った時の雰囲気が楽しいんだよね」

 藍「楽しい! 僕も一緒に入っていると安心するし、自然とチームが明るくなる感じがする」

 藍は21年秋にイタリア1部セリエAに挑み、入れ違いで大塚は24-25年季、セリエAのミラノに入団。昨季はミラノと日本の大同生命SVリーグで活躍した。

 大「純粋に応援していた。SVリーグはファン目線で見ていた。藍は守備がすごいいい選手やけど、点を取る力もついてプレーの質も上がっている。体も気を使って頑張ってきたことが、形になっているんやろうなとうれしくなった」

 藍「ほんまに入れ違いやなという話をしていた。(大塚が)どうやってイタリアになじんで行くんやろうなと気になっていた。イタリア語の習得は早かった。相当勉強していたよね? 大丈夫やった? 僕は勉強ゼロで行ったんで」

 大「ゼロ(笑)。自分でしたり、チームメートに聞いて勉強していた。買い物もできるようになれば自信がつくし、日本では経験できない。でも僕は全部が必要な苦労やと思っているんで」

 アジア選手権へ、主将の石川祐希(30)と並び、OH(アウトサイドヒッター)の軸になる覚悟を持つ。

 大「一人一人がやっていれば自然とチームのベースはでき上がる。主将がそこにアクセントを加えてくれる。自分らしく自分が引っ張ろうと思っています」

 藍「石川選手が主将だけど、リーダーシップは誰もが持ってもいい。チームを勝たせたり、引っ張る意識は僕の中でもあります」

 仲良しであり、高め合いながら成長してきた「たつらん」が、ロス五輪出場への原動力となる。

 ◆取材後記

 「たつらん」コンビの仲の良さを改めて実感した。対談の始めこそ、普段の取材時のように標準語で会話していた両者だが、高橋から「小学校の頃は僕のことなんか知らんやろ?」と関西弁が飛び出すと、和気あいあいとしたトークを展開。大阪出身の大塚と、京都出身の高橋。会話が弾むと、高橋がツッコミを入れるなど、記者の存在も忘れて、2人だけの世界を楽しんでいた。

 20年にともに日本代表に初選出された。当時最年少の高橋は、1学年上の大塚に対して「話しやすい」と、先輩ばかりの合宿で一緒にいる時間が多くなった。今年8月の合宿でも並んでアップを始め、一緒に「鳥かご(足を使ってのボール回し)」に参加した。気になる会話の内容を聞くと「しょうもない話ばっか」と高橋が言えば、大塚も「ネタになる話はない」とまた笑い合った。コート内では熱く、外では明るい「たつらん」が日本代表を支えている。(京)

 ◆大塚 達宣(おおつか・たつのり) 2000年11月5日生まれ。大阪・枚方市出身の25歳。小学3年でバレーを始め、中学までパナソニック(現・大阪B)の育成チームのパンサーズジュニアで鍛錬。京都・洛南高3年時に全日本高校選手権(春高バレー)を制覇。早大に進み、在学中の20年に日本代表初選出。21-22年にパナソニック入りし、24-25年からイタリア1部ミラノでプレー。五輪は21年東京、24年パリ大会で7位。195センチ、87キロのアウトサイドヒッター。

 ◆高橋 藍(たかはし・らん) 2001年9月2日生まれ。京都市出身の25歳。小学2年でバレーを始め、京都・東山高3年時に春高バレーを制覇。日本代表初選出は20年。日体大に進み、21年にイタリア1部パドバと契約し、23-24年はモンツァでプレーオフ準V。24-25年から2季、日本のサントリーで活躍。来季はポーランド1部ルブリンでプレー。五輪は21年東京、24年パリ大会で7位。188センチ、83キロのアウトサイドヒッター。