メ~テレ(名古屋テレビ)

名古屋城のシカをめぐって新たな動きです。8月、1匹が死んで高齢の1匹が残るだけになっていましたが、石川県から若いシカがやってくる見通しとなりました。

覆い茂る草むらの中から姿を現したメスのシカ。

名古屋城を訪れる観光客や地元の人に長年愛されてきた「もみじちゃん」です。

「堀に水がないなとは思っていたんですけど、まさかシカがいるとは」(長野からの観光客)

「こんな都会のところにいるんだなってビックリしました」(長野からの観光客)

もみじちゃんが暮らすのは、名古屋城の本丸エリアを囲む堀。

江戸時代からシカが放し飼いされていたといい、1970年代半ばにはその数は50匹を超えていました。

8月にやまむらちゃんが死んで1匹に…

ところが、ここ10年以上はメスの親子2匹の状態が続き、近いうちに“絶滅”の可能性も…。

「多くの来場者に親しまれていますので、シカがいなくなるのは、避けたい事態」(名古屋市 広沢一郎 市長)

名古屋市は、別の場所からシカを受け入れることを検討していましたが、話がまとまる前の8月、「もみじちゃん」の娘の「やまむらちゃん」が死にました。

死因は老衰でした。

「名古屋城に来た時に、内堀をのぞき込む人が多くいるでの、2匹をずっと守り抜いていくという気持ちで、これまで取り組んできたが、そのうちの1匹が死んでしまって、本当に残念な気持ちでいっぱいです」(名古屋城総合事務所 三谷幸司さん)

石川県の公園がシカを譲渡?

そんななか、9月1日明らかになったのが――

「命には限りがあります。だからこそ、私はこれまで名古屋城のシカが、絶滅の危機にあることを何度も訴えてきた」(自民党名古屋市議団 浅井正仁 議員)

名古屋市議会で質問があったのは「名古屋城のシカ」についてです。

新たなシカ探しに奔走してきたという市議の訴えに担当の局長は――

「年齢が若いメス1匹をお譲りいただきたいと考えています。令和9年(2027年)3月に受け入れることができるよう最大限努力してまいります」(名古屋市観光文化交流局 嶋久美子 局長)

そのシカがいるのは、名古屋城から直線で約170km離れた石川県森林公園。

園内の動物園では現在、16匹のシカが飼育されているといいます。

なぜ、このシカが名古屋城へ行くことになったのでしょうか。

「園では、ここ近年毎年のように、シカの赤ちゃんが生まれていて、頭数が増えると飼育も大変になってくるので、対応・対策を検討していたところ『名古屋城がシカを探している』という、ニュースを見てこちらから連絡を取りました」(石川県森林公園 松本聖史さん)

シカをきっかけに名古屋と交流の深まりを期待

増えたシカの扱いに頭を悩ませていたところに、名古屋城のシカ問題が。

まさに“渡りに船”となり、今回の譲渡へと調整が進んだといいます。

獣医師の検査などを踏まえ、1歳以上の個体をこれから選ぶそうです。

園のシカたちは非常に食いしん坊だということで――

「エサやおやつの時間になると、ピーピー鳴き声がして飼育員を呼んでいる」(松本さん)

いつか名古屋城でもエサをねだる様子が見られるかも?

松本さんはシカをきっかけに名古屋との交流の深まりを期待しています。

「石川県から名古屋城に観光に行くとか、あるいは名古屋から石川県に来ていただくとか、そういう交流人口が増えたらいいなと思いますし、今後また複数頭譲渡するのかどうかも、考えていきたいと思っています」(松本さん)