ハワイの電力インフラが大きく変わる? Hawaiian Electric、再エネ・蓄電設備の大型調達を始動
約1650GWhの再生可能エネルギーを調達へ
今回承認されたのは、Hawaiian Electricの「Integrated Grid Planning Request for Proposals(IGP RFP)」と呼ばれる調達計画です。
Hawaiian Electricによると、計画では年間約1650GWhの変動型再生可能エネルギーを調達する予定です。変動型再生可能エネルギーとは、太陽光や風力のように、天候などによって発電量が変化する電源を指します。
さらに、太陽光発電と蓄電池などを組み合わせた「グリッド形成型」の設備を465MW、24時間利用できる安定的な発電容量を111MW確保する計画です。
単に太陽光発電所を増やすだけではなく、発電した電気を蓄えたり、電力網を安定させたりする設備も含めて整備しようとしている点が特徴です。
新しい設備は2031~2034年に稼働予定
今回募集されるプロジェクトは、2031年から2034年にかけて運転を開始する想定です。つまり、すぐにハワイの電力事情が変わるわけではありません。
一方で、Hawaiian Electricは今回の調達について、将来の電力需要への対応だけでなく、発電設備の近代化や石油使用量の削減によるコスト低減にもつなげたいと説明しています。
島しょ地域であるハワイでは、発電燃料を外部から輸入する必要があるため、石油価格の変動が電力コストに影響しやすいという特徴があります。
再生可能エネルギーや蓄電設備を増やすことは、環境面だけでなく、エネルギーコストや安定供給の面でも重要なテーマになっています。
すでにハワイでは太陽光発電が急速に普及
Hawaiian Electricは翌8月11日にも、2026年上半期に新たに3,429件の屋根置き太陽光発電設備が電力網へ接続されたと発表しています。
追加された発電容量は合計36MW。さらに、家庭などに設置された蓄電池も55MW増えました。
特にオアフ島では、一戸建て住宅のHawaiian Electric顧客の約50%が屋根置き太陽光を導入しているとされています。
つまり今回の大型調達は、すでに急速に普及している家庭用太陽光とは別に、電力システム全体を支える大規模な再エネ・蓄電設備を増やす動きといえます。
ハワイの電気代にも影響する?
今回の計画についてHawaiian Electricは、競争入札によって価格競争を促し、顧客の利益を守ることを重視しています。また、石油使用量を減らすことで発電コストを引き下げることも目的の一つとしています。
ただし、今回の発表だけから「電気代がいくら安くなる」と判断することはできません。実際の料金への影響は、今後選ばれるプロジェクトの価格や建設費、運用コストなどによって変わります。そのため現時点では、「再エネを増やせば直ちに電気代が下がる」とまでは言えません。
まとめ
Hawaiian Electricは2026年8月10日、オアフ島とハワイ島を対象とした大規模な再生可能エネルギー・蓄電設備の調達計画について、ハワイ州公益事業委員会の承認を得たと発表しました。計画では、約1650GWhの太陽光・風力などに加え、465MWのグリッド形成型設備、111MWの安定電源を調達する予定です。
プロジェクトの稼働は2031~2034年が想定されています。家庭用太陽光の普及も進むハワイで、今度は電力網そのものを大きく変える投資が動き始めたといえそうです。
出典
Hawaiian Electric Public Utilities Commission approves Hawaiian Electric’s request to expand renewables, energy storage
Hawaiian Electric Nearly 3,500 rooftop solar systems added to Hawaiian Electric grids during the first half of 2026
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

