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老後資金を準備するうえでは、まず「年金受給額」を把握し、それをもとに老後に必要となる資金を見積もることが不可欠です。厚労省が公表しているモデルケースをもとに一人分の年金額を試算すると、受給額はおよそ月16万円となりますが、このモデル就職氷河期世代の働き方を前提にすると現実的とは言い難いのが実情です。そこで本記事では、ななし氏の著書『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略』(Gakken)より、氷河期世代が受け取れる“現実的な”年金額を試算します。

「1か月分の家計簿」を付けてみると目から鱗な事実が発覚

私は結婚していて、地方在住。小学生の子どもがいます。いまは賃貸なので、仮に老後も賃貸だとすれば生活費は少し高めになるため、「月25万円」と想定しました(都市部の方はもっと高くなるでしょう)。

老後の生活費は正直、現在のみなさんの生活レベルによってだいぶ変わると思います。人は一度上げた生活レベルを落とすことが難しいですからね。私たち夫婦は昔から質素な暮らしに慣れているため、25万円もあれば十分。将来、孫ができたらプレゼントなどもできるくらいの余裕も見ています。

この段階で老後の生活費をまったくイメージできない方がいらっしゃるとすれば、それはそもそも現状の生活費を正確に把握できていないのかもしれません。家計簿アプリなどを使って、1か月だけでいいので「家計の把握」をしてみることをおすすめします(言い方がきつかったらスミマセン。でも1か月の家計簿は、付けてみると本当に目から鱗です)。

生成AI、ねんきんネット…将来の年金受給額を概算し、「足りない生活費」を把握

年金受給額の予測は、いくつか方法があります。まず、50歳以降の方であれば、毎年届く「ねんきん定期便」に記載されているはずです。

まだ50歳になっていない方の場合、生成AIでもある程度わかります。私も条件を入れて質問をしてみたところ、「夫婦で約18万円/月」と出ました。毎月25万円の生活費が必要で、毎月18万円の年金が入ってくるとすれば、「毎月足りない生活費は7万円」ということがわかります

AIにたずねる以外にも、厚労省の「ねんきんネット」(運営は日本年金機構)を使えば受給額の予測ができます。マイナポータルにログインして「おかね→年金」の項目から連携するのが一番スムーズで、IDには「ねんきん定期便」に記載されている「アクセスキー」を使います。

その後「関連情報→ねんきんネット」を選び、『ねんきんネット』ページTOPにアクセスできたら、メニューから「将来の年金額を試算する」を選びましょう。

[図表1]簡易額試算と詳細額試算ができる『ねんきんネット』 出典:『手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の氷河期世代のお金の戦略』(Gakken)より抜粋

試算方法は「1・簡易額試算」と「2・詳細額試算」の2つが用意されています。前者は、いまの収入のまま60歳まで働いたと仮定して計算します。会社員の方などで定年まで働き続ける方はこちらでいいでしょう。

後者はいろいろなライフプランを想定できるので便利です。「受給開始を遅らせて年金受給額を増やすとどうなるか?」「何歳でいまの仕事を退職して、そのあとは国民年金になったらどうなる?」「過去の未納金をいまから払ったらどれくらい増える?」といった試算ができます。

氷河期世代がもらえる“現実的な”年金額

一般論ではずっと会社勤めをしてきた人が年金受給でも有利とされています。会社が厚生年金保険料の半分を負担してくれているからです。厚労省が発表しているモデルケースでは、会社勤めだった人は「月16万円」くらいとなっています(令和8年度の内訳は、約9万円の老齢厚生年金と、7万608円の老齢基礎年金)。

しかし、月に約9万円の老齢厚生年金がもらえる根拠となっているモデルケースをご存じでしょうか。厚労省のホームページを見ると、「厚生年金に40年間加入して、その期間の平均収入(月額換算した賞与含む)が月43万9000円の場合」と書いてあります。

いやいや、これ氷河期世代にはハードルが高すぎますよね……。年収換算すれば526万8000円。それを40年続けられる人は氷河期世代のなかでいったい何割いるの、という話です。

ということで、会社員経験が少しでもある氷河期世代が「現実的に」もらえそうな厚生年金はいくらくらいなのかとネットを検索していたら、すばらしい早見表を見つけました。ファイナンシャルプランナーの石倉博子さんが作成されたものです。

[図表2]厚生年金の受給額はいくらになる? 出所:『マイナビニュース』(石倉博子/FPWoman)より作成

表の見方としては、まずはご自身が厚生年金に加入してきた、そして今後加入するであろう合計年数を概算します。次に、会社勤め時代の平均年収を概算し、それを12で割ります。

たとえば先ほど紹介した厚労省のモデルケースは、「加入年数40年」で「平均給与約40万円」なので、「110万8000円」となっていますよね。これが1年で受給できそうな老齢厚生年金の額。それを12で割ったら月約9万円ということになります。

しかし、氷河期世代の悲哀を生きている人であれば、「加入年数25年」で「年収360万円」あたりがボリュームゾーンじゃないかと勝手に想像しています。そのケースだとしたら年間で受け取れる老齢厚生年金はわずか51万9000円。月にすると4万3250円ほどにしかなりません。

それとは別に、国民年金部分で満額84万7296円出たとしても、年間136万6000円。月にすると11万円ちょっと。手取り15万円くらいの仕事で70歳まで食いつなぎ、年金受給を遅らせた分だけ割増され、月15〜16万円くらいが落としどころでしょうか。

ちなみに「将来もらえる年金はもっと減る」といった声も聞かれますが、これ以上減らすと生命が維持できなくなる人が続出するので、最終的には「収入の多い人の取り分を減らして、収入の少ない人に割り当てる」ということで帳尻を合わせるのではないかと予測しています。厳しい現実であることには変わりませんが……。

ななし

インデックス投資