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Googleの日本法人でソフトウェアエンジニアとして働いていた外国籍の30代女性が、不当な業務改善プログラム(PIP)を理由に解雇されたとして、同法人を相手取り、労働契約上の地位確認や未払い賃金などの支払いを求める訴訟を東京地裁に起こした。

提訴は8月24日付。女性とその代理人が8月25日、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いて明らかにした。女性は「PIPは従業員が成長するための機会であるべきで、解雇に向けた既定路線であってはならない」と話した。

●5段階で上から3番目の評価→PIPの対象に

訴状によると、原告の女性は2014年8月、Googleの日本法人「グーグル合同会社」に正社員として雇用され、ソフトウェアエンジニアとして働いてきた。

同社では、従業員をL1からL7までのレベルに格付けする仕組みがあり、女性は入社時のL3から順次昇格し、2023年までにL5になったという。

腰の病気などで休業したこともあったが、2025年9月には、同僚や顧客に重大な影響を与えたことを示す「S(Significant Impact)」の評価を受けた。5段階のうち上から3番目だった。

ところが、その翌月の10月、女性は業務改善プログラム(PIP=Performance Improvement Program)の対象とされた。さらに同時期、人事担当者から退職合意書に署名するようプレッシャーをかけられたと主張している。

●団体交渉求めるも…今年3月に解雇

女性は訴状で、PIPが始まると、それまでとは異なる内容の業務を課されたほか、短いスケジュールが設定されたなどと主張している。

2026年1月30日にPIPが終了すると、会社側から「不達成」と評価され、3月1日付で解雇すると通知されたという。

女性は労働組合を通じて団体交渉を求めたが、会社側はこれに応じず、3月1日に解雇されたとしている。

解雇理由について、会社側は、就業規則に定める「就業状態、または意欲が著しく不良で業務に適しないと認められるとき」に該当すると説明したという。

●月122万円の賃金や株式相当の損害金求める

これに対して、女性側は、会社側が示した解雇理由には該当せず、解雇を回避するための努力もされていないなどと主張。合理的な理由を欠き、権利の濫用にあたり、解雇は無効だとして東京地裁に提訴した。

訴状では、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認に加えて、2026年3月以降の月122万5000円の賃金や、労働の対価として付与されていた親会社アルファベット社の株式に相当する損害金の支払いを求めている。

●労組にはPIPめぐる相談が複数

女性が加入する労働組合「JMITU Alphabetユニオン支部」によると、グーグルをめぐっては、ほかにもPIPをめぐる退職強要や解雇に関する相談が複数寄せられているという。

労組側は、抽象的で曖昧な目標を設定され、最終的に解雇されて現在裁判で争っているケースや、過酷な労働で適応障害となり病休に至ったケース、デザイナーからデータ分析への配置転換を告げられ退職を迫られているケースなどがあるとしている。

●原告女性「既定路線であってはならない」

8月25日、司法記者クラブで会見した女性は、英語で次のようにうったえた。

「日本で働く外国人として、在留資格についても心配しなければならず、今後も日本に住み、働き続けることができるのかという不安に直面することになりました。

私にとって、この訴訟の根底にあるのは公正さです。PIPは、従業員が成長するための純粋な機会であるべきであり、解雇に向けた既定路線であってはならないと信じています。

従業員のキャリアを左右する決定が下される際には、従業員の声がきちんと届けられる実質的な機会が与えられるべきだと考えます」

原告代理人の吉田健一弁護士は、こう述べた。

「グーグルというグローバルな会社が、労働者の権利をないがしろにしている。会社の都合で従業員のクビを切ったり、労働条件を一方的に変えたりすることを正していきたい」

●グーグルにコメント求め中

弁護士ドットコムニュースはグーグルに対し、今回の提訴についてコメントを求めたが、8月25日午後6時時点で回答はない。