大谷翔平4年連続5度目MVPへの「逆転シナリオ」 9月の投手復帰&“格下19戦”が追い風に
4年連続5度目のMVPがかかっている大谷翔平(32=ドジャース)も、今年に限っては分が悪いともっぱらだ。
メジャーのMVPは全米野球記者協会に所属する記者の投票によって決まる。その際に、参考にされるのが勝利への貢献度を表す「WAR」という指標。打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価したものだ。
大谷は投手と野手の二刀流であることがプラスに作用している。先発投手としてのプラスは、DHで守備に就かないマイナス分を補って余りあるからだ。
開幕から投打の二刀流でスタートした今季、6月までのWARはメジャーでダントツだった。打者としての数値はいまひとつだったものの、投手として14試合に先発して8勝2敗、防御率1.79とメジャーでも一、二を争う数字をマークしていたからである。
しかし、左膝の炎症で日本時間7月4日のパドレス戦を最後にマウンドから遠ざかると、WARは頭打ちに。全米野球記者協会の記者や米スポーツ専門局「ESPN」が参考にするといわれる米データサイト「ファングラフス」によれば、8月24日現在、大谷のWARは投手3.0+野手4.1の計7.1でメジャー2位。1位のピート・クロウ=アームストロング(24=カブス、略してPCAと呼ばれている)の8.5に1.4差と水をあけられている。
24日現在、PCAは131試合に出場して打率.281、33本塁打、83打点、32盗塁。1番打者として打って走ってチームを牽引するだけでなく、守備範囲の広い強肩の中堅手としてチームの勝利に大きく貢献している。
大谷は125試合で打率.288、30本塁打、80打点、9盗塁。守備に就かないマイナスに加えて、PCAには本塁打、打点、盗塁で後れを取っている。それだけに、逆転するためには投手としてのWARを積み上げることが不可欠だ。
その大谷は現在、投手として復帰するための調整を急ピッチで進めている。
投手指標の上澄みは不可欠
今月9日、17日ぶりにキャッチボールを再開したばかりなのに、23日のパイレーツ戦の試合前にはライブBPに登板。ロバーツ監督によれば、26日からのアトランタ遠征中にブルペン入りし、その後は「ライブBPか試合で投げることになるだろう」。MLB公式ホームページは「9月1〜9日、本拠地のカージナルス、ナショナルズ、レッズとの9連戦が復帰登板になる可能性がある」と報じている。
「MVPの記者投票はレギュラーシーズン終了直後に行われ、ポストシーズンの成績は加味されません。大谷が9月に投げるとすれば、おそらく3、4試合、しかも最初は1イニングのオープナーになる。けれども、これだけ急ピッチで進む調整を見る限り、9月中に5イニング近く投げられる可能性もある。優勝争い、地区優勝チームの勝率争いのかかる9月に好投すれば勝利への貢献度はアップします」
と、米誌コラムニストのビリー・デービス氏がこう続ける。
「しかも、大谷にとって追い風なのは、9月の25試合中、勝率5割以下のチームとの対戦が19試合もあることです。そのうち地区最下位のレッズとは7試合、地区4位のジャイアンツとは6試合、プレーオフの可能性がほぼ消滅して目標のないチームとの対戦を13試合も残している。PCAのカブスが地区首位のブルワーズと6試合、同じく地区首位のブレーブスと3試合、ワイルドカードが有力なレッドソックスと3試合残しているのとは対照的です。大谷は6月上旬まで防御率0点台と投手として圧倒的な数字を残していた。9月に開幕当初のピッチングで地区優勝や、地区優勝チームの勝率争いで上位2チームに入ることに貢献するようならインパクトは大きい。それに相手投手が強力になるPCAに比べればバッティングも期待できる。9月の投打の成績次第で、PCAのWARを逆転することは可能だと思う」
2021、23、24、25年に続くMVP獲得は決して不可能ではないというのだ。
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そんな大谷だが、 メジャーでもトップクラスだった走力の数値が今季は低下している。いったいどのくらい悪化しているのか。●関連記事 【もっと読む】大谷翔平に「脚力の衰え」ハッキリ では、それらについて詳しく報じている。
